仏教は社会のために何ができるでしょうか

他者とは簡単にはわかりあえません。わかりあうためには呼びかけが必要なんです。縁起とは決して理解するものではなく、自分たちでつくっていくものなんです。それを忘れないでほしいと思います。

 日本の仏教は社会のために何ができるでしょうか。俗っぽい言い方をすれば、これからの宗教はユーザーが変えていくようになります。そのためには大きな3点の構造改革が必要です。

 まずは「家から個人へ」。少子高齢化が進んだためたくましい個が求められるようになりました。もっと1人1人の個人に語りかけ、向き合っていく仏教が必要になっています。

 2つ目は「コミュニティからホームへ」。人のよりどころとして必要なホームとなるよう、仏教は転換を図らないといけないと考えます。

 最後は「説教から対話へ」。これまで仏教が語ってこなかった教育や環境、介護、ビジネスといったものを取り上げながら、仏教の力で問い直していくことが必要です。

 日本の仏教は残念ながら葬式、墓、戒名の三題話で終わってきました。生きていくうえで何が必要なのかといったレベルで語られてこなかった。仏教を儀式とか、お経の解読だけに閉じこめておくことはできない。
浄土宗大蓮寺住職、應典院主幹 秋田光彦
リレー講座「現代社会と宗教」(立命館大学主催・読売新聞大阪本社後援)

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