お線香をギフトとして贈る際のマナーや注意点

法事や葬儀などのご供養に、お線香をギフトとして贈りたいと考えたとき、マナーや相場が気になる方は多いのではないでしょうか。

お線香には、故人の食事であるとか供える方自身の身を清めるなどの意味合いがあり、法事や葬儀などの定番の贈りものとされています。故人を大切に思う気持ちを雅やかな香りとともに伝えられる、日本ならではの古式ゆかしい伝統は、出来れば身に着けておきたいものです。

そこでこの記事では、お線香をギフトとして贈る際のマナーや注意点について、以下の項目にわけて詳しく解説していきます。

この記事の内容

ギフト用のお線香とは

ギフト用のお線香の相場

お線香をギフトとして贈る際のマナーや注意点

1906年(明治39年)創業の仏壇・仏具専門店「ぶつえいどう」がご案内します。

ぜひ最後までご覧ください。

ギフト用のお線香とは

ギフト用のお線香には「贈答用線香」や「進物線香」、「お線香ギフト」などさまざまな呼び名がありますが、これらはすべて祈りの気持ちをお届けする贈り物です。

また、意外なところで、慶事用としてご結婚や結納の際にお贈りすることもあります。おめでたいお席で、ご先祖様への感謝や尊ぶ気持ちを込めてお線香をお供えするのは、古くからの習慣でもあります。

お線香を贈る意味

法事や葬儀などのご供養としてお線香をお贈りすることは、日本古来の心を伝える風習です。お線香をお供えすることでお悔みの気持ちをかたちにするのは、仏事における本来の弔意とも言えます。

そもそも「御香典」とは「故人に捧げるお香をお求めください」という意味合いを持った金銭なので、お線香は亡くなった方を偲ぶのに相応しい贈り物なのです。

また、「香典返し」は香典金額の半額が相場と一般に言われていますが、お線香を受け取った場合の返礼には決まりがなく、お返しをしなくても失礼にはあたりません。そのため、お線香は先様に返礼のご心配をおかけすることのない、気軽にお贈りできるギフトとしてもおすすめです。

いつ、どうやって渡す?

ギフトとしてお線香をお贈りする場合、どんなタイミングが良いのでしょうか。ここからは、お悔やみの気持ちを香りに託してお届けする、主な場面や方法をご紹介します。

訃報を知ったらなるべく早く贈りましょう

お線香を贈ることは、故人に対する弔意の表れですので、お届けする時期に決まりはありませんが、訃報を知ったら、できる限り早い段階で贈答用のお線香を贈り、哀悼の意を伝えましょう。

持参して弔問するのが最善

訃報を受けた際には、葬儀やお通夜に直接持参して弔問するのが最善です。お香典を渡す場合は一緒に、またはお香典をお受け取りにならない方にはご進物として、お線香をお供えします。

最近では宅配便で贈ることも多い

最近では、宅配便でお贈りすることも珍しくありません。ご遺族に宛てたお悔やみのご挨拶状を添えて、お線香をお届けしましょう。

こんなシーンで

お線香は、シーンを問わずに使えるお供え物のひとつではありますが、具体的な場面を紹介します。参考にしてください。

葬儀やお通夜に行くことができないので、お線香をお届けしたい。

本来なら、ご縁のある方の突然の訃報には、できる限り葬儀・通夜に参列し、直接お渡したいものです。しかし、やむを得ない事情や仕事の都合、あるいは遠方にいるために直接お訪ねすることが難しい場合もあります。そんなときは、故人を偲ぶ気持ちが伝わりやすい、お線香ギフトがおすすめです。

毎年お盆にお供えを贈りたい。

お線香は、お墓参りや仏壇へのお参りに欠かすことのできない品なので、お盆の時期の贈り物としても一般的です。ご先祖様と一緒に過ごすお盆の時期にお線香をお贈りするのは、日本に古くからある心優しい風習でもあります

初盆のお供えをしたい。

初盆とは、家族や近親者が亡くなり、49日の忌明けに、最初に迎えるお盆のことです。49日の忌が明ける前にお盆を迎える場合は、翌年が初盆になります。初盆のご進物にはお菓子や果物もありますが、夏場の傷みやすい季節には、先様がゆっくりとご使用できるお線香がおすすめです。

里帰りの際に仏壇にお線香をお供えしたい。

ご実家へ帰省するときに、ご先祖さまや仏様への感謝の気持ちを込めたお供え物として、お線香はピッタリです。お線香は、香りは穢れを祓い煙は仏様の食べ物になるなど、供養としての意義が深いご進物です。ご先祖さまや仏様へのご挨拶として、ぜひご仏前にお供えください。

喪中はがきが届いて葬儀に参列できなかったことを知ったので、お供えだけはしたい。

喪中ハガキで親しい方の訃報を知った場合、驚かれると同時に、葬儀に参列できなかった後悔が深くなることでしょう。そんなときは、早々にギフト用のお線香をお贈りし、ご冥福をお祈りする旨をご遺族に伝えましょう。お線香をお供えすることは、お悔みの気持ちをかたちにできる、仏事における本来の弔意でもあります。

ギフト用のお線香の相場

お線香は、お供え物として贈る品物の中でも、人気の一品です。しかし、お線香の値段は幅広く、予算が決めきれない方もいらっしゃいます。ご参考までに、贈る方との関係を基準に、ギフト用のお線香の相場をご紹介します。

身内や親しい関係の場合は5,000円〜10,000円

ご親戚や上司、あるいはお世話になった恩師など、特に大切な方へは高級感のあるお線香を選びましょう。高級な原料を使用した良質なお線香は、桐箱や化粧箱に少量入っているタイプなどもあります。

知り合いや仕事関係の場合は3,000円〜5000円

職場の同僚・ご友人など、親しい関係の方へのお供えとして、最も選ばれている価格帯です。ギフト用のお線香の中でもメインの価格帯になるため、種類も豊富にそろっています。

気を使わせたくないような相手に贈る場合は1,000円〜

ご近所の方やお付き合いの浅い知り合いの方など、相手に気を使わせたくない場合、メインの価格帯より心持ち安価のものをおすすめします。ギフト用のお線香は、たとえ安価であっても日常使いのものとは一線を画しますので、贈り物としてもきっと喜ばれることでしょう。

お線香をギフトとして贈る際のマナーや注意点

最後に、お線香をギフトとして贈る際の、一般的なマナーと注意点について解説します。

表書きは送る時期によって変わります

表書きは、亡くなった日より49日を境に変わります。地域や風習によって、稀に異なる場合もありますが、一般的なマナーとしてご参照ください。

御霊前故人が亡くなられてから、忌明けとなる49日までは「御霊前」と書きます。
御仏前故人が亡くなられてから、忌明けとなる49日以降は「御仏前」と書きます。
御供「御供」は、時期を問わず、宗派にもこだわらずに使用可能です。
初盆御見舞「初盆御見舞」は、初盆を迎える際に使用されます。「御仏前」あるいは「御供」でも大丈夫です。
喪中御見舞「喪中御見舞」は、喪中のお知らせなどで訃報を知った時に使用します。

名入れはフルネームがおすすめ

お名前は、ご遺族がわかりやすいように、「フルネーム」でお書きするのが理想です。

3人以上の連名の場合は〇〇一同とする

3名以上の連名でお贈りする場合、表書きは「〇〇一同」とし、個人名は別紙に記入するようにしましょう。

お悔やみ状を同梱するとより気持ちが伝わります

遠方などで直接お渡しできないときは、ご遺族に宛てたお悔やみ状を添えて、お線香をお贈りしましょう。心を込めたお手紙とお線香の薫香が、故人を偲ぶ追悼の気持ちを伝えてくれます。

包装や配送がしっかりしている専門店を選びましょう

お線香という特別なお品を大切な方へお送りする場合、包装や配送がしっかりしている専門店にお願いするのがおすすめです。老舗の仏具店には、伝統製法で作られた高品質な線香がたくさんあります。さらには、贈答の種類に合わせたアドバイスなどもいただけますので、安心してお任せできます。

まとめ

お線香は、「香」を故人が浄土で食すという考え方から「香食」とも呼ばれ、故人を偲ぶ気持ちを伝える一番のお供えとされています。

故人への追悼としてはもちろん、仏様やご先祖様を尊ぶ儀礼として、果てはご結婚や結納の寿ぎとして、お線香は選ばれています。

一般的なマナーや相場は本記事を参考にしつつ、お線香をギフトとしてお贈りしてみてはいかがでしょうか。

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