厳しい修行の目的

      2018/04/22

私が得度したのは昭和29年(1954年)10月です。場所は大覚寺道場でした。

得度とは髪を剃り、仏門に入ることですが、真言宗にはこの後、修行の中でも一番辛い「四度加行(しどけぎょう)」というものがあります。私はそれを四国神宮で行いました。毎日、午前1時半に起き、修行に明け暮れる生活を最低100日間、続けなければなりません。そして仏と縁を結ぶ儀式の「伝法潅頂(でんぽうかんじょう)」を受けます。これを完了すると阿闍利と呼ばれます。私が伝法潅頂を終えたのが昭和43年(1968年)12月でした。

 この修行の間に、65キロあった体重が35キロまで落ちこみました。「もうどうでもいいよ」という気分にもなりました。これが自と他を区別することのない絶対的な智、「無分別智」の境地です。

なぜこれだけ厳しい修行を行うのか。密教では大日如来が宇宙の真理を説くと考えます。ただそれは言葉や論理だけで理解するのが難しい。そこで修行によって直接、体得するべきだとされているのです。
(真言宗大覚寺派  坂口博翁宗務総長)
リレー講座「現代社会と宗教」(立命館大学主催・読売新聞大阪本社後援)

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