釈迦の2つの教え

釈迦の教えの根本は、2つの柱から成り立っています。その1つは「四姓(インドのカースト制度の4つの階級)平等」です。これは「一切衆生悉有仏性(いっさいしゅじょうしつうぶっしょう)」と呼ばれる悟りから生まれたものです。

 すべての衆生に仏となる本性がある。この世界に存在する人間はすべて平等で円満な、完成された人間性を備えているという自覚です。

 この自覚に立てば、釈迦はカースト制度による差別の社会に矛盾を感じざるを得なかった。そのため釈迦の教団内部では平等の社会をつくっていた。出身がどんな階級でも釈迦の教団に入ったら1日でも早く入った者が兄弟子になる。

 カースト制度で最上級のバラモン階級でも兄弟子に対し礼拝し、次の席に座らなければならなかった。そういう「四姓平等」の社会ができあがっていた。

 もう一つの柱は非暴力、平和主義です。釈迦が生きた約2500年前、出身の釈迦族の国が当時の強大な軍事国家だったマガダ国に攻められた。釈迦は軍を二度にわたって説得、侵攻をとどめることができたが、三度目の侵攻をとどめることはできず、釈迦族は滅ぼされてしまった。それでも釈迦は非暴力、平和主義を訴え続けた。
(前臨済宗妙心寺派祥福寺僧堂師家  河野太通師)
リレー講座「現代社会と宗教」(立命館大学主催・読売新聞大阪本社後援)

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