思春期のこども達と向き合おう

中学校で子どもたちをみていると

今までに明確な父性に出会わないまま

ここまできたのではないかと

思うことがたびたびある

思春期という人生のもっとも躍動的な

ステージの真っただ中のこの段階に

幼児性を引きずりまわしている

状況をわきまえず だだをこね

わめき散らす子どもたちをみるのである



父性っていったい何か

「厳しさと秩序感、畏怖を持ち合わせる父性」

などと形容されることもあるが

優しく言えば(簡単に言い過ぎるきらいはあるが)

「あかんことはあかん」

と言うことでありまた

あるべき自分を求めさせ

努力を促すことであり

そして、子どもの前に立ちふさがり

人生いかに生きるべきかを教えることである

そもそも父性は

母性の機能としての保護から子をとき放し

「自立した個」として成長することを

促す作用としての役割をもっている(個体の分離独立)

また、子どもが規範を身に付け

家庭内の秩序を学ぶための

大きな権威としての役割である

かわいい子には旅をさせろ

旅をさせて苦労をさせろ

他人の釜の飯を食って来い・・・

と言うが、これらは個体の分離独立を促す内容である

しかし、実際には

この個体の分離独立といった課題の達成を

青年期を過ぎてまで持ち越してしまう場合や

そういった要素を色濃く残したまま・・・

ということがよくあるのである

また、分離独立していくわが子に

親の側の分離不安から

親が子にしがみついてしまう

という状況もみられるのである

子が「自立した個」に成長するためには

父性と対峙し続けることが大切であることは言うまでもないが

このことが必ずしも父親だけの役割でもない

父性や母性は機能であるからだ

それを担うのに性差を問わない

ところが私たちの社会は

母性の神話が根強いから

母性には母性だけを求めてしまいがちだが

それは正しくない

母親の父性性や父親の母性性という面も

おろそかにはできないものである

父、母がいて、子どもを養育するとき

父親が父性の、母親が母性の役割と

ステレオタイプに理解することは危険であろう

役割の交替や並存が場面により必要なこともある

そして何よりも大切なことは

父性と母性がうまく調和して機能することだと思う

     松阪市立中部中学校教頭  高橋 光彦 (教育の現場から・父性って何?より転載)

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