この時期になると、広告や店先で盆提灯を見かけることが増えてきますね。盆提灯の用途・いわれ・選び方に至るまで、簡単にまとめてみたいと思います。お盆の前に、ぜひご一読ください!
盆提灯はどんな時に使うの?
初盆のお供えに
新盆の際、故人の親戚や親しくしていた方が、供養のために盆提灯を贈るという文化は日本には古くからあります。とはいえ、お供えものといえば、線香やろうそく、お茶や菓子という方も多いかもしれませんね。盆提灯はお供えものとしては最高のものとされていますので、大切な方へのお供えとして選んでみてはいかがでしょうか。(盆提灯は親戚が贈る風習が強い地域もあますので、送る前に周りの方へ確認されると良いでしょう。)
毎年のお盆飾りに
また、盆提灯は初盆の進物に限った話ではなく、普段のお盆に、ご自宅用に準備されることもおすすめします。盆提灯はお盆にご先祖さまを供養し、仏さまに感謝するためのものですから、初盆に限らず、近しい方が亡くなられていない家庭でも盆提灯を飾るのが良いとされています。最近のインテリアに合わせやすいモダンな盆提灯もありますので、ご家庭に合ったものを自分で選ばれる方も増えていますよ。
盆提灯は最高のお供えもの
ちなみに、盆提灯が最高のお供え物であると書きましたが、その理由はいくつかあります。
まず、仏教において火や光というものがかなり重要視されています。火や光は人の心を明るく照らすものであり、仏の智慧(物事をありのままに把握し、真理を見極める認識力)を象徴するものとされています。また、盆提灯の灯りにはお盆に霊が帰ってくる際の目印(迎え火)、お盆が終わり霊をあの世へ見送る光(送り火)としての大変重要な役割があります。盆提灯の灯りは、仏さまを敬い感謝する気持ちが込められているだけではなく、霊の案内役でもあるのです。
とはいえ、そういった意味合いを意識しなくとも、一息ついて盆提灯を見つめてみると、私たちの心をも照らしてくれるような優しい光が、素敵なお供え物であることを感じさせてくれることでしょう。
盆提灯の選び方
いざ盆提灯を選ぼうとしてみると、その形状はさまざまで迷われる方も多いかと思います。宗派による決まりはありませんが、地域によって盆提灯の種類がある程度決まってくる場合がありますので、あらかじめ地域の方へ確認されることをおすすめします。
盆提灯は、床置きタイプと吊るすタイプに大きく分類できます。どちらも意味合いは変わりませんので、飾るスペースを考慮してお選びください。
盆提灯を贈りたい!
盆提灯を贈る場合には、絵柄の入ったものを贈るのが一般的です。一対で飾るのが本来の姿ですが、最近は住宅事情の関係もあり、小さめかつ良いものを一つ贈られる場合がほとんどです。
提灯が飾られるであろう場所や、部屋の広さを考慮に入れるというのは盆提灯の選び方のひとつのポイントですね。選ぶのが難しい場合は、相手先の方に提灯を選んでいただき、会計のみ贈り主がされるというケースもありますよ。
贈る時期としては、相手方のお盆の準備の都合を考え、早めに贈るのが喜ばれるようです。一年通してお買い求めいただけますが、だいたい6月~8月にお求めになる方が多いです。
ちなみに、のし紙をかける場合は表書きを「御仏前」もしくは「御供」とするのが一般的です。
お盆飾りは華やかに
最後になりますが、お盆は、ご先祖さまが、あの人が、しばらくぶりに自宅に戻ってくるという行事です。悲しみを思い出してしまったり、お経をあげてもらうなかで暗い気持ちになってしまうかもしれませんが、せっかくですから「お帰りなさい、久しぶりですね。帰ってきてくださって嬉しいです!」の気持ちで、思いっきり歓迎しましょう。お盆飾りは華やかにして、果物や美しい花々を供え、盆提灯に灯りをともせば、明るい雰囲気にきっと喜んでくださるはずですよ。素敵なお盆をお迎えくださいね。