位牌の選び方について最も多くご質問いただくのは「サイズ」に関することです。
「なるべく小さいのがいいけど、お仏壇とのバランスが悪くなるんじゃ?」
「ご先祖様の位牌との兼ね合いはどうすればいいの?」
「みんなどのくらいのサイズを選んでいるの?」
このような疑問に創業明治39年の仏壇・仏具専門店がお答えします。
さらに毎月100本以上の位牌を制作する中でのトレンドもご紹介しています。
位牌のサイズはどのように選べばいいの?
仏壇の大きさに合わせる
まずは仏壇に合わせてサイズを選んでいくことが大切です。
そもそもお仏壇に入らないサイズは選ぶべきではないですし、小さすぎても不格好になります。既にあるお仏壇やこれから購入するお仏壇のサイズを確認し、その仏壇に最適なサイズの位牌を選択することが大切です。
具体的には、高さ160cmくらいの大きなお仏壇には4.5寸〜6寸の位牌が最適です。高さ50cm以下の小さなお仏壇には3寸〜4.5寸がよく似合うでしょう。ネットで購入する場合は記載されているサイズに紙を切り取って自宅の仏壇に置いてみるとイメージが湧きやすいと思います。また実店舗で購入する場合は展示されているお仏壇に実際に飾ってもらうことをおすすめします。
先祖の位牌と同じか少し小さいサイズを選ぶ
初めて位牌を作る場合は特に気にする必要はありませんが、既にご先祖様の位牌がある場合はご先祖様を敬い同じサイズか少し小さいサイズの位牌を選ぶと良いでしょう。
例えばご先祖様の位牌が6寸ならば新しい位牌も6寸または5.5寸を、ご先祖様の位牌が4寸ならば新しい位牌も4寸または3.5寸を選ぶといった感じです。
先祖代々の位牌より小さいサイズの位牌を選ぶ
またお仏壇の中に「◯◯家先祖代々」と書かれた位牌がある場合、それよりも小さいサイズの位牌を作ります。
この位牌は先祖位牌と呼ばれ、そのお家の全てのご先祖様を合祀しているお位牌です。お家のルーツとなる大切な位牌なので敬意を表して故人の位牌を小さくします。
先祖位牌のサイズが5寸なら4.5寸にするなど少しでも小さければ問題ありません。
ご本尊の目線より低いサイズの位牌を選ぶ
お仏壇には仏像や掛軸(絵像)で御本尊様が祀られていると思いますが、お位牌の高さは御本尊様の目線よりも低くなるようなサイズを選ぶのが一般的です。
なぜなら(宗派によって異なる場合がありますが)戒名を授かるということは仏様の弟子になるということです。つまり師匠である仏様よりも高い位置に戒名が記された故人のお位牌があるというのはおかしいですよね。お位牌を置く位置は御本尊様よりも一段下の段になるので問題ない場合が多いのですが、お位牌選びの際には念のため確認していただくと良いでしょう。
位牌のサイズ表記について
位牌のサイズは寸法で記載されている
お位牌のサイズ表記は多くの場合「寸法」で書かれています。寸法とは日本で古くから用いられてきた長さの単位で、1寸は約3.1cmに換算されます。
寸法は札板のサイズなので要注意
寸法表記で示されているのは「札板」部分のサイズであり台座のサイズは含まれていません。位牌の本体は札板なので先祖の位牌と比較する時は札板だけを比べます。
ただし、お仏壇や御本尊様とのバランスを考える際は総丈で測る必要があるので注意してください。実店舗の仏壇店で購入する場合に間違うことはまずありませんが、ネットで購入をご検討している場合は「位牌全体のサイズが6寸(約18cm)だと思ったら札板だけのサイズだった・・・」という事にならないよう「総丈」も確認してください。
一般的によく選ばれる位牌のサイズ
大きな仏壇用に選ばれている位牌のサイズ
仏間に置かれるような大きなサイズのお仏壇には4.5寸〜6寸くらいの位牌がおすすめです。ただし、同じ大きさのお仏壇でも内部の構造によって最適なサイズは変わります。やはりお店で実際に置いてみたり、近いサイズの物を使って確認することをおすすめします。
例として高さ170cmのお仏壇に4.5寸と6寸のお位牌を並べてみました。この場合は6寸の方がよく似合っていますよね。
小さな仏壇用に選ばれている位牌のサイズ
チェストやボードの上に置くような小さなお仏壇には3寸〜4寸のお位牌がおすすめです。こちらもお仏壇によって内部の構造が異なるため、事前によく確認しておきましょう。
例として高さ50cmのお仏壇に3寸と4寸のお位牌を並べてみました。この場合は3寸の方がしっくりくると思います。
まとめ
この記事の内容をまとめます。
- まずは仏壇に合ったサイズを選ぶ
- ご先祖様の位牌がある場合は同サイズか小さいサイズの位牌を選ぶ
- 先祖位牌がある場合は小さいサイズの位牌を選ぶ
- 御本尊様の目線よりも低くなるようサイズを選ぶ
- 「総丈」も確認する
以上、お位牌のサイズ選びについて解説させていただきました。すこしでもお位牌選びの参考になれば幸いです。