位牌の文字入れ方法には「彫り」と「書き」があります。ネットで位牌を注文する場合などは自分で決める必要があり、どちらを選べばいいか迷ってしまうのではないでしょうか。
この記事では毎月100本以上の位牌を制作する当店が、「位牌の文字入れ方法」について彫りと書きの特徴の違いや注文の傾向を踏まえた上で、あなたにとって最適な選択をご紹介します。
位牌文字の彫りと書きの違いについて
位牌文字の彫りと書きの工法の違いについて
位牌への文字入れ方法は「彫り」と「書き」の2種類から選べることが多いです。彫りとは位牌の表面に刃物で文字を刻み、後から色を入れる方法です。一方、書きとは位牌表面の上から塗料で文字を入れる方法です。どちらも昔は彫刻刀や筆を使った手作業で行っていましたが、最近では機械彫り、機械書きが主流になっています。
位牌文字の彫りと書きの見た目の違いについて
彫りは見やすくシャープな印象に、書きは柔らかい印象に仕上がります。
これは彫り文字が位牌の表面を削るため、書き文字に比べ奥行きのある見た目になり輪郭がはっきりするためです。一方で書き文字は輪郭が少しぼやけるのですが、その分柔らかい印象に仕上がります。
関東は「書き文字」が多く、関西は「彫り文字」が多い理由
彫り文字の位牌と書き文字の位牌には実は地域差があり、関東には「書き」で作られた位牌が多く、関西には「彫り文字」で作られた位牌が多いと言われています。
これには歴史的な背景があります。古くから都があり寺院も多かった京都の周辺には仏師(仏像を彫る職人)が多くいました。仏師さんの本業は仏像を作ることですが、その技術を活かして副業として位牌の文字入れを承っていたそうです。一方、関東には仏師が少なく、書道家等が位牌への文字入れを行っていたそうです。
このような理由で位牌の文字の入れ方には地域差が生まれ、古いお位牌を見てみると上記の傾向があると思います。現代では地域に関係なく文字の種類をお選び頂けますので、好みに合わせてお選びいただければと思います。
位牌文字の彫りと書きのメリット・デメリット
彫り文字のメリット・デメリット
彫り文字は輪郭がはっきりして読みやすくシャープに仕上がるのが最大の特徴です。また、文字が取れてしまうこともなく、何十年経っても判別することが可能です。デメリットとしては一度文字を入れたら変えられないことです。滅多にあることではありませんが、文字の指定は慎重に行いましょう。
書き文字のメリット・デメリット
書き文字は柔らかい印象に仕上がります。表面に文字を書くので修正も可能なのですが、その分、文字が取れたりかすれてしまうこともあります。また機械書きなら統一された文字に仕上がりますが、「手書き」の場合、職人によって字体やクオリティが異なりますので理解した上で選択する必要があります。
最適な文字入れ方法の選び方
先祖の位牌がある場合
既にお仏壇にご先祖様の位牌がある場合は、そちらに合わせて作っていただくと良いでしょう。
統一感が生まれ、並べた時の印象が良くなります。
実際に当店にご注文頂くお客さまの多くが、ご先祖様の位牌を参考に彫りか書きを決めていただいています。
初めて位牌を作る場合
初めてお位牌を作る場合におすすめなのは「彫り」文字です。
理由は「読みやすくはっきりした文字に仕上がる」「長持ちするため、永年お祀りする位牌にふさわしい」からです。
当店でも90%以上のお客様が「彫り」文字を選択頂いています。
まとめ
この記事についてまとめます。
- 位牌への文字入れは「彫り」と「書き」の2種類から選べることが多い
- 彫りは見やすくシャープな印象に、書きは柔らかい印象に仕上がる
- 「彫り」と「書き」は地域に関係なく選んでOK
- 既にご先祖様の位牌がある場合は統一させる
- 初めてお位牌を作る場合に「彫り」文字がおすすめ
以上、位牌文字の彫りと書きの違いについて解説させていただきました。
お位牌選びの参考になりましたら幸いです。
当店ではお位牌への文字入れにもこだわりを持っており、彫り文字は「楷書体」「手彫風書体」の2種類の書体から、書き文字は「合掌体」「手書き」の2種類の書体からお選びいただけます。
また、「難しくて選べない」というお客様にも、イメージ通りのお位牌に仕上がるよう専門フタッフがアドバイスをさせていただいています。
インターネットからも簡単にお申し込みできますので、興味のある方は公式オンラインショップを御覧ください。