実家にご先祖様の位牌がたくさんあり、1つにまとめたい。でも正しいやり方がわからなくて不安、、、。
本記事では創業明治39年の仏壇・仏具専門店が下記のような疑問・悩みを解決します。
- 位牌が多くて仏壇に入らなくなってきた
- 仏壇を小さく買い換えるので位牌を整理したい
- 古い位牌の取り扱いに悩んでいる
また毎月100本以上の位牌を制作している実績から、一般的な傾向もご紹介します。
位牌をまとめる方法
お仏壇の中にお祀りされている位牌。普通は故人の位牌をそれぞれ制作します。
でも代々と家が続くほど、位牌の数が増えていくんじゃ、、、。
いずれは仏壇に収まりきらない数の位牌に、、、。
確かに家系を10代さかのぼると1024人のご先祖様がいて、最低でも1024本の位牌が必要なことになります。
いくら大きな仏壇でも1024本の位牌は収まらないですよね。
そのような場合には複数の位牌をひとつの位牌にまとめることができるんです。
そして、そのまとめ方にはいくつかの方法があり、状況や条件によって選択すべき方法が変わります。
夫婦位牌としてまとめる
仏壇の中に夫婦それぞれの位牌がある場合、それらを1本の夫婦位牌としてまとめることがでます。
夫婦位牌とは夫婦の戒名を並べて記す位牌のことを指します。位牌をまとめると言っても夫婦位牌ならむしろ夫婦仲良く並んで印象もいいですよね。
また、亡くなったときにはそれぞれ別々の位牌を作った場合でも後から夫婦位牌としてまとめることもできます。
もし仏壇の中に夫婦別々の位牌があるのであれば、まずはそれらを夫婦位牌としてまとめていただくことをご検討いただくのが良いでしょう。
繰出位牌にまとめる
位牌の本数が多い場合には繰出位牌にまとめていただく方法がおすすめです。
繰出位牌は箱型の少し大きめの位牌で、内部に10枚前後の札板が納めれれています。
その一枚一枚に古い位牌に記されている戒名や没年月日、俗名、没年齢などを書き写してお祀りします。
最近では大きな仏壇から小さな位牌に買い換えるケースも多く、そんな時にも繰出位牌は活躍します。
位牌の本数が多く、仏壇に収まりきらなくなった時は繰出位牌を検討しましょう。
先祖位牌にまとめる
古い位牌の中に33回忌、50回忌を過ぎている位牌があれば、「先祖位牌」を作ってそちらに合祀することができます。
先祖位牌は、そのお家のご先祖様をまとめてお祀りするための位牌です。形は札位牌と同じですが表面に「〇〇家先祖代々之霊位」と記します。
裏面は何も記さず空けておくことが多いのですが、中には施主として自分の名前を入れる方もいらっしゃいます。
33回忌や50回忌を迎える位牌であれば先祖位牌にまとめてお祀りするのがおすすめです。33回忌よりも前に先祖位牌にまとめてもよいのですが、一般的には33回忌まではそれぞれの位牌で個別にお祀りします。
位牌は祈りの対象であると同時にご先祖様を記録する役割もあります。先祖位牌に合祀すると記録がなくなるため、別に過去帳をつくり戒名や没年月日、俗名を写しておきましょう。
以上、お位牌をまとめる3つの方法を紹介させていただきました。
では、実際に位牌をまとめるにはどこにお願いすればいいのでしょうか?
ここからは位牌をまとめる手順を説明したいと思います。
位牌をまとめる流れ
古い位牌をまとめるための新しい位牌を用意する
まずは仏具店にて、位牌をまとめるための新しい位牌を準備しましょう。
どのような位牌にすればいいのかについてはこのページを参考にしていただくか、自信がなければ店員さんに相談していただくと良いでしょう。
最近はどこの仏壇店でも同様の相談が多いはずなので、的確にアドバイスしてもらえるはずです。
お寺に依頼して開眼供養・閉眼供養をしてもらう
位牌の準備ができたらお寺に開眼供養(魂入れ)の依頼をして日程を調整してもらいましょう。
開眼供養とは新しい位牌に魂を入れるための法要です。それと同時にこれまでの位牌から魂を抜いてもらう閉眼供養もして頂く必要があります。
これらはセットのようなものなので「位牌をまとめるにあたり法要をお願いしたい」と伝えれば両方を執り行っていただけます。
この時に、お寺にはお布施をお渡ししましょう。
古い位牌はお焚き上げ供養に
閉眼供養を終えた古い位牌は、そのままお寺に引き取っていただきお焚き上げ供養をしていただきます。
お寺によってはお焚き上げをしていない所もありますが、その場合は位牌を購入した仏具店に相談してみると良いでしょう。
まとめ
それでは、この記事についてまとめます。
- 複数の位牌をひとつにまとめる方法がある
- 夫婦の位牌は夫婦位牌としてまとめることができる
- 位牌が多い場合は繰出位牌にまとめることができる
- 33回忌を過ぎた位牌は先祖位牌としてまとめることができる
- 位牌を整理する時は開眼供養・閉眼供養をお寺に依頼する
以上、位牌をまとめる際の参考になりましたら幸いです。