お釈迦さまの晩年、遠く各地に布教に出掛ける高弟たちに、愛用していた菩
提子(菩提樹の実)の念珠を形見として分け与えたのが、珠の数が少ない略
式の念珠の始まりだそうです。
ところが、携帯に便利な略(片手)念珠でも、日々の生活のなかで、いつも手
に持っているわけにはいきません。そこで考え出されたのが腕輸念珠だった
んです。身につけていると、いつも仏さまの眼を意識します。私たちが仏さま
のことを忘れることがあっても、仏さまが私たちのことを忘れることはないと…
その心の姿勢が、日々の修養になるというわけです。
腕輸念珠が流行しています。サッカー選手がミサンガという手首に巻くお守り
をしていたことから、若者たちが、魔除けのアクセサリーとして、或いは恋愛
成就のお守りとして、ブレスレットのように手首にするのがブームになったの
です。いわばファッション念珠です。「好きなタレントがしているので」「何とな
く」が、その理由でしたが、何となく仏教へのあこがれがあったのかもしれません。 (京都数珠製造卸組合)