葬式仏教

日本人の中には「自分は無宗教」と言う人が多いようですが、日本人に決して宗教心がないわけではありません。お盆や彼岸になると墓参りに出掛け、正月には初詣でのため神社がにぎわいます。

 先祖教による宗教心を培ってきたにもかかわらず、明治時代以降、キリスト教や仏教のように特定の神仏を信仰するのが「宗教」だと思い込まされたため、日本人は「自分は無宗教」だと言うようになりました。 日本でお寺が一番多く建てられたのは戦国時代から江戸初期にかけてです。室町時代には農業の生産力も上がって、一時的に飢饉(ききん)があっても、村は存続できるようになりました。こうして村で死んだ人を村全体で弔うという宗教がおこりました。

 大きな本山は別ですが、小さな寺は最初から浄土真宗や日蓮宗の教えを広めようといった形で建ったのではありません。葬式、法事を行ってきたのが寺の歴史で、先祖教の儀式の場を寺が担ってきたのです。

(梶田真章・法然院貫主)
リレー講座「現代社会と宗教」(立命館大学主催・読売新聞大阪本社後援)

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