位牌を作るとき戒名の下に「位と書くのか」「霊位と書くのか」または「何も書かないのか」で迷っていませんか?
この記事では創業明治39年の仏壇・仏具専門店がそんな疑問にお答えします。また毎月100本以上の位牌制作実績より全国からの注文傾向も掲載しています。
位牌を作るとき「位」や「霊位」はつける?
本位牌に「霊位」とは書かない
葬儀から四十九日の間にお祀りする白木位牌には「霊位」と入っていることが多いと思いますが、本位牌に移す際には「霊」の文字を取って「位」のみを記すか、「霊位」のどちらも記さないというのが現在一般的に行われている方法です。
既にある位牌に書かれている場合は「位」をつける
「位」のみを記すか、何も記さないかを判断する基準として、既にお仏壇にお位牌が並んでいる場合は、そちらを参考にすると良いでしょう。
お寺様に確認していただくのが最善の方法なのですが、ご先祖様の位牌を作った時に確認されている可能性が高いですし、これまでお祀りしてきたのですから、それに習っておくと間違いないでしょう。
当店でご注文頂く場合も、ご先祖様のお位牌をお持ちの場合は、まずはそちらをご確認頂くようにおすすめしています。
はじめて位牌を作る場合は念のためお寺に確認する
よくインターネットの記事には「〇〇宗は位をつける」「◯◯宗は位をつけない」という表記を見かけますが、これにも例外が多く存在します。「霊位」「位」を記す、記さないの決まりはお寺や地域によって様々です。
故人の魂がやどり、永年お祀りするお位牌ですから、戒名を付けていただいたお寺にしっかりと確認した上で本位牌を作りましょう。
【参考】当店への申込状況
参考までに当店へお位牌を申し込んでいただいたお客様がどのくらい「位」を付けているのかをグラフでお見せします。約6割のお客様が「位」をつけるという判断をされています。
位牌に書かれる「位」と「霊位」とは?
そもそも「位」や「霊位」にはどういった意味があるのでしょうか。これは下文字(したもじ)と呼ばれるもので、元々は生前の地位を示すものだったようです。
昭和56年に出版された戒名・法名大辞典によると尊儀(法皇)、台霊(将軍)、神儀(高人)、淑霊・淑儀(貴人の女)、幽霊(比丘尼)、霊(夫人)、淑山(山伏)、霊玉(座頭)、順位(放歌師)、霊位(平人)、霊(荼毘以前、または三十五歳前の者)、淑魂(女)が下文字として使われてきたことが紹介されており、現代ではほとんど使われなくなった下文字も記載されています。
つまり「霊位」や「位」とは身分制度の色濃かった次代の名残であり、現代ではあまり気にする必要はないのかもしれません。
位牌の位と霊位の違いについてのまとめ
- 本位牌には「霊位」とは記さない。記すなら「位」のみ
- 「位」を記すかどうかは先祖の位牌を参考にする
- 新しく位牌を作る場合はお寺に確認したほうがいい
位牌を作る際の参考になれば幸いです。
他にも位牌に関する疑問がある方のために、位牌についての総合案内的な記事を用意しました。合わせてご覧ください。