曹洞宗は、お釈迦様の教えを幾世代にもわたり、師匠から弟子へと受け継いだもので、インド・中国を経て日本へと伝わった禅宗の中の一つの宗派です。
鎌倉時代、宋より帰国してお釈迦様の教えを広め、永平寺を開いた道元を「高祖」、總持寺を開き、全国に教えを広め教団としての曹洞宗を確立した瑩山を「太祖」と呼んでいます。
他の宗派では、開祖は一人、本山であるお寺も一寺であることがほとんどですが、高祖道元、太祖瑩山を曹洞宗の「両祖」としてあがめ、永平寺と總持寺の両方のお寺を「大本山」としているのも曹洞宗の特徴です。
ご本尊
曹洞宗では釈迦牟尼仏とともに、宗祖である道元と瑩山をあがめており、「一仏両祖」として尊んでいます。
とは言え、ほかの禅宗同様にご本尊へのこだわりはなく、大本山の一つ、永平寺では釈迦牟尼仏と弥勒仏・阿弥陀仏がまつられていますが、もう一方の總持寺では釈迦牟尼仏と迦葉尊者・阿難尊者がまつられているのです。
これというのも、曹洞宗の普及により多くの寺院が曹洞宗に改宗しましたが、その折、寺院でまつっていた仏さまなどを、引き続きご本尊とした歴史があるからなのです。
釈迦牟尼仏とは
お釈迦様のことで、釈迦如来・釈尊とも言います。
たくさんの仏さまの中で唯一実在した仏さまで、仏教の創始者でもあります。
お釈迦さまは、現在のネパールで釈迦族の王子として誕生しましたが、19歳で出家、35歳の時に尼連禅河のほとりの菩提樹の下に端座して悟りを開き、80歳で入滅するまで多くの人を導かれました。
永平寺のご本尊 弥勒仏と阿弥陀仏
弥勒仏
弥勒菩薩とも呼ばれる弥勒仏は、遠い未来に仏となることを約束されている菩薩であるので、弥勒仏と尊称されています。
弥勒とは慈しみから生まれたものという意味で、お釈迦様の入滅から56億7000万年のち、仏となってこの世に現れ、生きとし生けるものを救い導くといわれています。
お姿としては、京都・太秦の広隆寺の半跏思惟像が有名です。
みなさまも教科書やガイドブックなどで、一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか。
阿弥陀仏
浄土宗・浄土真宗のご本尊でもある阿弥陀仏は、無限の生命と光明をもつ仏さまです。
「阿弥陀仏を信じ念仏を唱える者は、極楽浄土に往生できる」と浄土宗・浄土真宗では説かれており、臨終を迎えた人を導く仏としても信仰されています。
總持寺のご本尊 迦葉尊者と阿難尊者
迦葉尊者・阿難尊者
両者はともに釈迦十大弟子です。
十大弟子とは、お釈迦さまが教えを伝える中で出来たで主要な弟子のことを言います。
迦葉尊者は大迦葉とも呼ばれ、釈迦の後継者とされており、頭陀(托鉢)第一の衣食住にとらわれない修行を行った人物です。
阿難尊者は迦葉尊者の弟子でもあり、常に釈迦の近くに侍り教説をよく記憶していたため、多門第一の弟子と言われています。
さいごに
曹洞宗は、ひたすら坐禅にうちこむ『只管打坐』こそが、悟りの姿であるとしています。
日常で坐禅を組むことはなかなか難しいですが、短い時間であっても無心になれる時間を持ちたいですね。
偲墓は行く末の煩わしさを無くし、かつ伝統的な供養もしてもらえる新しいスタイルのお墓です。生活環境や居住地域が変わっても無理なく供養し続けられるよう、お寺や宗派の枠に捉われない仕組みを実現しました。これまでの伝統を引き継ぎつつも、これからの供養のあり方をカタチにしたお墓です。
