臨済宗のご本尊

臨済宗は禅宗の一派で、鎌倉時代に宋で学んだ栄西により開かれました。

鎌倉幕府・室町幕府とも結びつきが強く、武家政権に支持された宗派でもあり、日本史の教科書にも書かれている『京都五山・鎌倉五山』は、臨済宗のお寺です。

京都五山・鎌倉五山からは漢詩の才能に恵まれた僧侶も多く出ており、『五山文学』と呼ばれるように文化面の担い手でもありました。

また有名な一休さんも臨済宗の僧侶です。

民衆に広まった曹洞宗と比較し、『臨済将軍、曹洞土民』という言葉も生まれました。

ご本尊とは

信仰のよりどころとなる仏さまのことです。

臨済宗に限らず禅宗では特に定まったご本尊はなく、『臨済十四派』といわれるように、臨済宗は14もの派に分かれているので、それぞれの派やお寺によっておまつりしている本尊が違うことがあります。

釈迦如来をご本尊としておまつりしているお寺が多いですが、阿弥陀如来、大日如来、薬師如来、地蔵菩薩などさまざまです。

釈迦如来

お釈迦様のことで、釈尊とも言います。

たくさんの仏さまの中で唯一実在した仏さまで、仏教の創始者でもあります。

お釈迦さまは、現在のネパールで釈迦族の王子として誕生しましたが、19歳で出家、35歳の時に尼連禅河のほとりの菩提樹の下に端座して悟りを開き、80歳で入滅するまで多くの人を導かれました。

妙心寺、南禅寺、天龍寺など多くのお寺でご本尊とされています。

釈迦如来

釈迦如来坐像

 

阿弥陀如来

阿弥陀如来とは西方極楽浄土の教主です。

インドの言葉で「阿弥陀」とは限りない命(無量寿)、はかりしれない光明(無量光)の意味であり、阿弥陀仏とは、限りない命と無限の光明をもつ仏様を意味します。

京都五山の一つである万寿寺、苔寺の名で有名な西芳寺などのご本尊です。

 

阿弥陀如来坐像

阿弥陀如来坐像

 

大日如来

本来は摩訶毘盧遮那(まかびるしゃな)如来といい、大日如来は通称です。

摩訶は優れて偉大、毘盧遮那は光り輝くという意味で、全てのものに慈悲を与える仏さまとされています。

真言宗のご本尊である大日如来ですが、鈴虫寺として知られている華厳寺のご本尊でもあります。

大日如来

大日如来坐像

 

薬師如来

正式名を薬師瑠璃光如来といいます。

『薬師』は医師の意味であり、様々な病気を治療し人々を病苦から救ってくださる仏さまです。

六道珍皇寺でご本尊としてまつられています。

地蔵菩薩

お地蔵様として親しまれているのが地蔵菩薩です。

地蔵菩薩は子供の守り神と信仰されていて、子供の成長を見守ってくれています。

鎌倉五山の一つである建長寺、京都にある地蔵院などのご本尊です。

さいごに

臨済宗には観光地として有名なお寺も多いので、訪れたことのある方もたくさんみえると思います。

次に訪ねる際には、お寺のご本尊にも注目してみるのも、新しいお寺のめぐり方になるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

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