昔は大家族が当たり前でした
子だくさんで家計は苦しくても
みんなそれなりに
にぎやかにやっていたものです・・・
戦後1947(昭和22)年に民法が大幅に改正され
家中心の「戸主制度」が廃止され
男女同権の新しい「家族制度」を定めました
それにより戸主の家族員に対する支配権は否定され
家督相続制度に変えて財産の均分相続が認められ
婚姻・家族関係における「男性優位」の諸規定は廃止されました
テレビの普及によりアメリカ文化が大量に流入し
アメリカンスタンダードが日本家庭の憧れとなり
やがて目標とさえなりました
日本が高度成長を続けていた昭和30年代
人々はテレビ、電気洗濯機、電気冷蔵庫三つの商品を指して
「三種の神器」と呼び必須アイテムとされました
瞬く間にこれらの家電製品が普及してしまうと
人々の憧れはさらにグレードアップします
いわゆる「3C」・・・
つまり自動車、カラーテレビ、クーラーで
英語の頭文字を取って「3C」と呼ばれました
当時の人々にとってこれらを揃えることは
豊かになった証のようなものだったのです
「三種の神器」と「3C」が普及し
人々がそれなりの豊かさを手に入れたところで
日本の高度成長は終わりを告げました
物質文明のピークとともに
家族神話はやがて崩壊に向かいます
三世代同居がめずらしくなり
核家族化が進んでくると
家族の形態も最小単位の個人に変化していきます
各部屋にTVを持つようにもなり
ますます家族がバラバラになっていきました
豊かさは心を満たしてはくれませんでした
政府は「少子化対策」に躍起になりますが手遅れの状態です
さて、共同体の最小単位である「家族」が無くなり
裸の「個」となった私たちは
今まさに浮遊しています
パラダイムが大きく揺らいでしまい
平気で嘘をついてみたり
開き直ったり逃げ回ったり
自らの責任にさえ
頬かむりしている大人たちを前に
子供たちにどうやって「明日を信じよ」と言うのでしょうか
私たちには必要なのは
自分の問題が何かを見極め
自分の立場をはっきりと自覚することです
決して自分一人ではないということ
一人では何もできないことを知ることではないでしょうか