【沈香】
「日本書紀」には推古三年(595年)に淡路島に漂着したとあります。
沈香の香木では足利義政、織田信長、明治天皇が切り取ったとされる正倉院御物の「蘭奢待」(らんじゃたい)が特に有名です。
沈香の中でも特に最良のものを「伽羅」と呼び、その優雅な香りは全ての香りの王者ともいえます。ベトナム、カンボジア、インドネシアなどから産出します。
香道では間接的に熱を加え、ほんのわずかな木片から広がる香りを楽しんだり、茶道でも歩割と呼ばれる木片をやはり間接加熱で楽しみます。
また、刻んで焼香に調合したり、粉末にして練香や、線香などに練り込むなどの使い方があります。
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【ベトナム産】
甘味、辛味が調和された最も甘味の多い沈香です。
清涼感のあるのが特徴でコクのある薫りです。
【タイ産】
甘味、辛味、苦味、酸味、の各味のある薫りです。
中でも甘味が強く感じられます。
【インドネシア産】
辛味の強い沈香ですが、甘味も少し感じる薫りです。
【マレーシア産】
辛味、甘味が調和されたマイルドな薫りです。
【カンボジア産】
甘味が多く、辛味、苦味、酸味は少なく、鼻にすっと通るような薫りです。