右大文字と左大文字
船型や妙法の字
京都の風物詩にもなっている五山の送り火
お盆にお迎えした先祖の霊を
再び黄泉の国へ導くのだ
さながら京都の町全体が
美しく静かに
しかも勇壮に
昔ながらの仏教行事に浸るのだ
盂蘭盆会の本来の意味は以前にも書いたが
お魂を呼ぶといった考え方はいつの時代からあるのだろう
祖先の霊を「迎える」とか「送る」とかいう素敵な言葉は
はたして、いつから日本で言い出したのだろうとふと考えてしまう
そもそも、日本古来の独自の宗教観からきていると思えてならない
ひいては日本人のやさしさから由来しているに違いないと
きっと作り話に違いないと思うのだが・・・
その昔、京都の学生たちが
共謀して大文字山に登ったという
やがて等間隔に焚かれる松明に点火され
「大の字」が現れたころを見計らって
彼等は手にした懐中電灯を夜空に向けたという
次の瞬間、きれいな「犬」の字 が浮かび上がったのだった