最近ではお盆と言っても、特別に何かするということもない家庭が増えてきています。核家族化の影響もありますが、細かい儀礼にこだわらない人や面倒だと思う人、仏壇などがない家庭が増えた結果と言えるかもしれません。
そうなると、お盆に特別な提灯を飾る、つまり盆提灯を飾ることの意味もよくわからない人も多いのではないでしょうか?中には、祭りの提灯と盆提灯を混同してしまっているケースもあるでしょう。
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盆提灯の意味
盆提灯は、お盆に先祖や故人の霊が家に戻ってくる時に「目印」とするため、仏壇や盆棚の前に、基本的に対(一対もしくは二対。ただ、絶対的な決まりごとではありません)にして置いたり吊るしたりして飾ります。一種の道標という扱いになっているのです。盆提灯に綺麗な絵柄や家紋が付いているのも、そう言った理由があるようです。
尚、四十九日後に初めて迎えるお盆、つまり新盆(もしくは初盆)を迎える家に、故人の知人や親族が盆提灯を贈る習俗がある地域もあります。
勿論、今でも伝統的な盆提灯を使用している家庭も地方を中心に多くありますが、都市部などで和室がない家などには、大きさや形が部屋に合わないため、小さめの盆提灯や洋間にも合うオシャレな盆提灯も増えてきています。装飾を施した西洋ランプのような盆提灯や、生花のような形の盆提灯がそれに当たります。また多くの盆提灯がコードレスになって来ています。
ただ、形はどうであれ、言うまでもなく大切なのは供養する気持ちです。それさえ忘れなければ、自分の好みの盆提灯を飾ることも、先祖は十分喜んでくれることでしょう。