春慶塗は、漆では最も透明度の高い「黄春慶」と木地溜塗りを明るくした感じの「紅春慶」があります。昔は透明な塗料がありませんでしたから、たいへんな発明だったのでしょう。春慶の名は、黄瀬戸の加藤春慶がつくる色に似ていたからなど、色々な説があります。
【素材の種類】
素材はヒノキ、ヒバ、サワラなど、ヒノキ科の木が用いられ、板物、曲げ物などがおもな製品でした。今日ではトチなどの挽き物にも応用され、幅ひろくなっています。
【素地調整】
春慶塗りは上塗りまでの工程は少なく、素地が上手に仕上がっていないと、きれいな仕上がりは期待できません。塗り肌は日によって違います。その日の温度、湿度が微妙に漆に影響します。漆塗りは温度、湿度の加減といえるでしょう。