- 「家をリフォームする機会に仏壇も新しくしたい」
- 「引越し先には今の大きな仏壇を置くスペースがない」
- 「実家から仏壇を引き継ぐことになった」
- 「仏壇をお祀りする場所を場所を変更したい」
生活環境が変わると住宅についてもいろいろと考えないといけません。
その中でも、多くの方を悩ますのが「お仏壇」の問題。
大きな仏壇の場合、新しい環境で使い続けるのが現実的でない場合も・・・。
さらには、宗教的なルールもあり悩ましい領域ですよね。
当店でもこのようなご質問をよくいただきます。
- 「仏壇って買い替えても大丈夫?」
- 「小さな仏壇に買い替えるのはよくないって聞いたけど本当?」
- 「新しくする場合、どんな仏壇にすればいいの?」
- 「仏壇の適正価格ってどうやって調べるの?」
仏壇の買い替えは人生で何度も経験することではなく、安価な買い物ではありません。できるかぎり失敗は避けたいところですが、下記のような選び方をしていると後悔することも。
- ネットの評価の高さだけで選んでしまった。。。
- デザイン重視でモダン仏壇を選んでしまった。。。
- 親戚のすすめで大きな仏壇を選んでしまった。。。
一見、どれも悪い選び方ではないように思いますが、仏壇を買い替える時に注意すべきポイントを考慮せずに購入すると失敗につながります。
ということで、この記事では、創業明治39年の仏壇・仏具店が持つ長年のノウハウから、仏壇の買い替えについての基礎知識と仏壇の買い替えで注意すべきポイントを解説した上で、「失敗しない正しい仏壇の買い替え方」を紹介します!
- 仏壇の買い替えに関する基礎知識がわかる
- 仏壇の買い替え時に注意したいポイントがわかる
- 仏壇の買い替えで失敗しなくなる
それでは、さっそくまいりましょう!
仏壇の買い替えについて、最低限知っておきたい基礎知識
そもそも仏壇って買い替えてもいいの?
仏壇は環境に合わせて買い替えても問題ありません。
近年では住宅環境の変化によって仏間や和室の少ない家が増えました。
「和室を洋室にリフォームした」「引っ越し先の家には和室が無い」なんて方も多いのではないでしょうか?
そんな環境で今までの大きな仏壇を使い続けようとするとムリが生じてしまいます。仏壇も住宅に合わせて小さな洋風のものに買い替えていただくのがオススメです。
小さな仏壇に買い替えるのは良くないって言われたけど本当?
信じられないかもしれませんが「仏壇は家の繁栄の象徴だから買い替えるなら大きくしないといけない!」と言われた時代も本当に有りました。でも現代では価値観もかわり「大きな仏壇が家の繁栄を象徴する」なんてこともなくなりました。
仏壇は周囲への権力表現の手段ではありません。あなたが心を落ち着かせて手を合わせることができる・・・そんな仏壇を選んでください。
仏壇にはどんな種類があるの?
高さ170cmくらいの大きな仏壇から30cmくらいの小さなものまで、大小さまざまな仏壇があります。また和風なデザインもあれば、洋風なデザインもあり、中にはSF映画に出てくるようなデザインの仏壇まであります。もちろんお値段もピンきりです。
宗派によって若干の違いはありますが、基本的に設置場所のお部屋に合わせて好きなデザインを選べます。
仏壇ってどのくらいの期間使うの?
仏壇をどのくらいの期間使用するかは各ご家庭によって大きく異なります。
「子や孫が沢山いて今後何十年もお祀りしていくつもり」という家庭もあれば、「自分には子どもがいないので自分が死ぬまで手を合わせられればいい」という方もいらっしゃいます。
また、「自分は代々受け継いでほしいと思っていたけど子供は小さいのがほしいと言っている」という話もよく聞きます。当店でも購入してから3年ほどしか経っていない何百万もする仏壇を供養させていただくことがあります。
価値観が多様化する現代ですから、まずは自分の代で使うことを前提に「次の代は子供におまかせ」くらいに考えて選択するのがよいのではないかと思っています。
古い仏壇は下取りしてもらえるの?
仏壇の下取りは基本してもらえないと思ってください。
ご本尊様やご先祖様をお祀りするものですから、他人が使用したものを利用したいと考える人はほとんどいません。仏壇店としても需要のないものを買い取るわけにはいかないのです。
しかし、金仏壇なら買い取りしてもらえるかもしれません。金仏壇に使用されている金箔を精製する目的で金仏壇の買い取りを行っている業者も存在します。
ただ、買取金額は数千円程度なので、新しい仏壇を購入する仏壇店に正しく供養してもらうほうが気持ちもスッキリするのではないでしょうか。
仏壇を買い替える時の正しい手順
まずは新しく設置したい場所の高さ・幅・奥行きを正確に計測しましょう。また、大きな仏壇への買い替えを検討する場合は設置場所までの通路の幅や高さも計測しておくと納品も短時間で完了します。
計測したサイズのメモを持って仏壇店に行き仏壇を選びましょう。家電と違い、仏壇は店舗によって置いている種類が大きく異なります。伝統型の大きな仏壇を中心においているお店もあれば、小さなモダン仏壇を中心に揃えているお店もあります。理想的な仏壇を見つけるまで2〜3件は覗いてみることをオススメします。また、古い仏壇の引き取りを希望する場合は必ずはじめに伝えましょう。新しい仏壇を購入する場合、同じ日程であれば引き取り料金を値引きしてくれる場合があります。
仏壇を決めたら納入予定日までに閉眼供養をしてもらいましょう。閉眼供養とは仏壇を移動したり買い替えたりする場合に、仏像や位牌に入っている魂を一旦抜いてもらうための法要です。早めにお寺にお願いして予定を確保してもらいましょう。
閉眼供養が終わったら新しい仏壇を納入してもいます。これといって特に準備しておくことはありませんが、仏壇が変わると付属している機能や仏具の配置が変わります。納入時に説明してもらいましょう。古い仏壇も納入の日に引き取ってもらいましょう。
仏壇が新しくなったら、お寺に依頼して開眼供養をしてもらいます。開眼供養とは閉眼供養の逆で、仏像や位牌に魂を入れてもらうための法要です。仏像と位牌に魂が入ることでようやくお仏壇の入れ替えが完了します。
仏壇を買い替える際に考えるべきポイント
新しい仏壇の設置場所の計測
設置する場所の高さ・幅・奥行きをメジャーなどで正確に測り、メモしておきましょう。その時に設置場所の写真も撮影しておくと仏壇店での説明時に確認できて便利です。
家の宗派を確認する
仏壇や仏具には「宗派」によって用意すべき種類が異なるものもあります。仏壇店に宗派を伝えれば適切な案内をしてもらえるので、自分の家の宗派を調べておきましょう。
既存の本尊や位牌を新調するか決める
既存の本尊や位牌は新しい仏壇でもお祀りいただけます。ただし、小さな仏壇に買い替える場合は大きな本尊や位牌を収めることができないかもしれません。既存の本尊や位牌を引き続きお祀りしたい場合は、しっかりとサイズを測り、本尊と位牌が収まるサイズの仏壇を探しましょう。
既存の仏具を新調するか決める
本尊や位牌と同様に仏具も既存のものをご使用いただいても問題ありません。こちらも同様にお仏壇のサイズによっては収まらない場合があるので、サイズを計測しておきましょう。
今の仏壇の供養方法
新しい仏壇が来たら古い仏壇は供養しなければなりません。仏壇は仏像や位牌をお祀りするための祭壇であり、霊が宿るものではないため極端な話、地域の制度に従って粗大ごみとして処分することも可能です。
とはいえ、長年お祀りしてきた仏壇を処分することに気が引けてしまう方も多いことでしょう。新しい仏壇を購入した仏壇店に相談すると格安で引き取っていただけることもありますので、一度確認してみることをオススメします。
仏壇を買い替えるときの手順とポイントのまとめ
- 仏壇は設置場所に合わせて買い替えてOK
- 仏壇を買い替えるときは閉眼供養と開眼供養をお寺にお願いする
- 仏壇店に相談に行く前に下記を確認しておこう
- 仏壇設置場所のサイズ
- ご家庭の宗派・お寺
- 引き続きお祀りしたい本尊や位牌、仏具のサイズ
- 古い仏壇の処分方法の希望
- 仏壇を買い替えるときの手順
- 仏壇選び
- 閉眼供養
- 納品
- 開眼供養
以上、仏壇を買い替えるときの参考にしていただけると幸いです。