Reのついた言葉で、
リサイクル・リストア・リペア・リユースなど
地球環境に配慮をした流行りの言葉があります。
永続的にモノやデザインを保つ、
持続させるといった一連の意識は、
実をいうと日本伝統の考え方なのです。
この【再生プログラム】ともいうべき考え方は、
伊勢神宮にモデルを見ることができます。
20年に一度の「遷宮」で技術を伝承しつつ、
再生を図ると言う優れたシステムです。
「リインカネーション」reincarnation[名] は再生、転生と言う意味で 、
アジアの諸国で寺院が常時再生されていることは、
以前「アジアの時代」を仏教中心に観てみるの「寺院建築」のところで詳しく述べました。
磨耗、劣化、古いもの、壊れたもの、汚れたもの、傷んだもの、をもう一度役立たせる。
命を与える・・・つまり「もったいない」の思想が根底にあります。
メンテナンスをする。
手をかける。
洗濯、修理、復元、復元、再生、復活、循環といった行為は、
人の手や、技術や経験、知恵を必要としますし、
時間や手間、コストもかかります。
もう一方で人類は進化、改善、ヴァージョンアップの考え方として、
「新品に取り替える」という選択肢を手に入れました。
いつの間にか使い捨ての快感を知ってしまった現代人は、
バーゲンで買った服はクリ−ニング代のほうが高くついてしまう
というジレンマに陥っています。
このことは「仏教の無常観」からも深く頷けます。
「愛着」「未練」といった人間の本質的な悩みに連動して興味深いし、
言い換えれば 「死」 と 「延命」 という対立する考え方として、
現代医学の分野でも議論が尽きません。