- 位牌を購入したいけど何を基準に選べばいいの?
- 位牌の選び方に宗教的なルールはあるの?
このような疑問を解決します。
インターネットで「位牌」と検索するとたくさんの商品を見つけることができます。
しかし種類が多すぎてどれを選べばいいのかわからないというお声もよく聞きます。
「どれでも同じでしょ」と値段だけで位牌を決めてしまうと、後々悔やまれる結果になることも少なくありません。
そこでこの記事では創業明治39年の仏壇・仏具専門店が「正しい位牌の選び方」について伝授させていただきます。
また、大手ショッピングモールの過去レビューから位牌選びで失敗しやすいポイントをランキング形式で紹介させていただいています。
これから位牌の購入を控えている方は是非最後までお読みいただき「正しい方法」で位牌をお選びください。
- 位牌選びで着目すべき重要なポイントを紹介
- 位牌選びで失敗した理由をランキング形式で紹介
- 110年続く老舗仏壇店の店主が正しい位牌選びについて解説
位牌の選び方で重要なポイント
位牌のデザイン
位牌のデザインは、特に決まりがあるわけではありません。
様々な形や色の位牌が販売されていますが、仏壇に合わせたデザインの位牌を選んでいただいても、故人をイメージできるデザインの位牌を選んでいただいても構わないのです。
最近ではシンプルなデザインのモダン位牌が人気を集めており、当店でもよく選ばれています。
また既に先祖の位牌が仏壇に祀られている場合は、デザインを合わせていただくと見栄えも良くなります。
位牌の大きさ
位牌の大きさについては、昔から「ご先祖様に敬意を表し、既にある位牌より大きくしない」という慣習があります。
ですのでお仏壇に既に位牌がお祀りされている場合は、その位牌と同じ大きさか、少し小さい位牌を選ぶと良いでしょう。
一方で、初めて位牌を購入する場合は仏壇の大きさに合わせて、バランスの良い位牌を選びます。
基準としては仏壇の上から2段目に位牌を置いた時に位牌の頭がご本尊のお腹くらいの位置になる大きさが適切だと思います。
位牌が大きすぎて最上段に祀られている本尊・脇侍が隠れないように注意して選びましょう。
位牌の種類
位牌の種類には大きく分けて白木位牌(仮位牌)、本位牌、繰出位牌があります。
白木位牌は主に葬儀から四十九日までの間に使用します。一時的な位牌なので「仮位牌」とも呼ばれます。
繰出位牌は位牌が多くなって仏壇に収まりきらなくなってきた時に、複数の先祖をまとめてお祀りするための位牌です。命日ごとに札板を繰って使用するため繰出位牌(または回出位牌)と呼ばれています。
それ以外の一般的な位牌は本位牌と呼ばれます。
それぞれ用途が違うため、特にインターネットで位牌を購入する場合は混同しないよう注意が必要です。
種類 | 用途 |
白木位牌(仮位牌) | 四十九日までの仮の位牌 |
本位牌 | 四十九日以降に祀る位牌。様々な色やデザインの物がある。「モダン位牌」「蒔絵位牌」「塗位牌」もこの中に分類される。 |
繰出位牌(回出位牌) | 位牌が多くなってきた時にまとめるための位牌。位牌内部に複数の板が収納できる。 |
宗教・宗派
「仏教では人が亡くなったら位牌をつくる」というイメージがあるかもしれませんが、実は浄土真宗では基本的に位牌をつくりません。
浄土真宗の考え方では、往生したら即成仏なので位牌に魂が宿るという考え方をしないからです。
ただし浄土真宗高田派では位牌を作りますし、最近では本願寺派や大谷派でも位牌が許容されるようになっています。
作る必要はないですが「手を合わせる対象として位牌をつくりたい」というお気持ちがある場合は、一度お寺に確認してから位牌を要しされることをオススメします。
それではここからは、位牌選びでの失敗事例を紹介いたします。
位牌選びで失敗する理由TOP3
1位:位牌の文字に関して
失敗理由として最も多いのが位牌の文字入れに関するものです。
調べてみると下記のようなレビューが見つかりました。
過去に位牌を購入したときと同じ仏壇店に先祖の位牌とレイアウトパターン・文字数も同じで注文しましたが、文字の大きさがまったく異なる位牌が届きました。仏壇に並べて置くだけに、違う商品に見えるほど違和感があります。
商品とは別に文字入れ代が必要なことが後からわかりました。その商品のページには文字入れ欄があったので、文字入れ代も込かと思いました。わかりにくいので、文字入れ代も購入時に徴収してほしかった。
「イメージと違う仕上がりになってしまった」「文字入れのやり取りが難しかった」「位牌本体が安くても文字入れ料が高かった」など位牌への文字入れは失敗しやすいポイントのようです。
2位:位牌の品質に関して
次に多かったのが位牌の品質についてのもの。
既にある位牌と比べるとチープに見えてしまう。いかにもプラスチックのプリント印刷って感じでした。仏壇に置いてしまえばそれほど気にならないので返品しませんが、よくよく見比べられれば明らかに品質が違います。先祖の魂が入るものだけに残念です。
値段が安いので仕方ないと言えば仕方ないのですが、位牌をひっくりかえし、下からみてみると足の黒塗りの部分はブツブツと塗料の塗りムラがありました。他にもわずかですが金箔が剥がれている場所もあります。激安には理由がありますね。もう少し金額を出して、ちゃんとした位牌を買えばよかったです。
「金箔が剥がれていた」「塗装面にムラがあった」など安価な位牌にはそれなりの理由があります。
気になる人には大きな失敗ポイントになりますので十分注意したいですね。
3位:宗教的なルールに関して
文字や品質についての失敗に比べると件数は少なくなりますが、宗教的なルールや監修についても失敗しやすいポイントです。
当家は浄土真宗本願寺派ですが、今回父が亡くなり仏壇などを購入しました。文字入れに関してこちらの会社の方とも数回やりとりさせて頂きましたが、「浄土真宗では位牌を用いない」という事を後で知りキャンセル申し出ましたがキャンセルできませんでした。浄土真宗では位牌が必要ない事を分かっていながら教えて頂けませんでした。結局、新たに過去帳また法名軸も注文しました。分かっていたなら教えて頂きたかったです。
前述の通り、浄土真宗では基本的には位牌は作りません。
ただ、作る宗派もあったり、承知の上で作りたいというお客様も多いので仏壇店からも指摘がされない場合もあります。
このような失敗をしないためにも、まずはご自身で自分の宗派に位牌が必要かどうかを確かめてから注文することをオススメします。
以上を踏まえて、ここからは正しい位牌の選び方を紹介します。
失敗しない!位牌の正しい選び方
値段だけで選ばない
価格は購入を決める大きな要素ですが、価格だけで判断してしまうと失敗します。
「安い」「高い」には必ず理由があるので、その理由を理解した上で購入を決定してください。
品質に関して失敗したくないなら絶対に国産位牌がオススメです。
位牌原稿を確認できる店舗で申し込む
文字のレイアウトにこだわりがあるなら位牌原稿を提示してくれる店舗で購入しましょう。
位牌原稿とは文字の種類やバランスを確認するための原稿です。お店側では必ず作るものですが手間を省くためにお客様には提示しない(もしくは有料)お店もあります。
文字入れ後に修正をしてくれるお店は多くありません。また、修正してくれたとしても納期が延びて必要な日に間に合わないこともあります。
原稿のチェックは面倒だからどっちでもいい・・・と思いがちですが、文字に誤りがあるともっと面倒なことになりますので、申込時にしっかりと確認して万全を期しましょう。
確認したいことは遠慮せずに聞く
位牌は基本的に作り直しの利かない品物です。
少しでも疑問に思うことがあるなら、購入前にお店に確認してみましょう。質問を投げかけてみるとお店側の姿勢も見ることができるので一石二鳥です。
位牌の選び方についてのまとめ
- 位牌のデザインは自由に決めて良い
- 先祖の位牌の大きさと同等か少し小さめの物を選ぶ
- 浄土真宗では基本的に位牌は不要。作りたい場合は念の為お寺にい確認する
- 位牌選びで失敗する理由は「文字」「品質」「作成ルール」に関することが多いので、よく確認すること
- 品質で失敗したくないなら国産位牌を選ぶ
- 文字について不安があるなら位牌原稿を確認できるお店で購入する
- 購入前に疑問点を解消しておく
以上、位牌の選び方について解説させていただきました。参考になりましたら幸いです。