- 仏壇の前に置く座布団はどんなものでもいいの?
- 普段、使わないときはどうやって保管するの?お手入れ方法は?
このような疑問にお答えします。
仏壇の前に置く座布団は一般的な来客用の座布団とは意味合いや用途が少し異なります。
初めて仏壇を購入する場合や仏事になれていない方には馴染みが薄いかもしれません。
そこでこの記事では、創業明治39年の仏壇・仏具専門店が仏壇の前に置く座布団について徹底解説させていただきます。この記事を読んでいただければ、仏壇用座布団の選び方からお手入れ方法や保管方法までを知ることができます。
この記事の内容
- 仏壇用座布団の使い方について解説
- 仏壇用の座布団の種類を紹介
- 座布団のお手入れ方法について解説
- 座布団の正しい保管方法を紹介
仏壇用座布団とは?
仏壇の前に置くための座布団のことを「仏壇用座布団」と呼びます。他にも「仏前座布団」「御前座布団」「導師座布団」という呼び方もあります。
本来は、寺院で導師を務めるお坊さんに座っていただくために使われていた特別な座布団なのですが、ご家庭でも法要時にお坊さんに座っていただいたり、普段自分たちが仏壇に手を合わせるときにも用いられます。
一般的な座布団との違い
大きさ
仏壇用の座布団は一般的な座布団に比べて大きく作られています。これは、お坊さんの着ている袈裟や和装に合わせているためです。
厚み
座布団の厚みも一般的な座布団に比べて分厚く作られています。読経は長いときには数時間にもなる場合があります。そのような長時間の読経にも耐えられるよう、クッション性をもたせているのです。
デザイン
仏壇用座布団の一番の特徴は、その綺羅びやかな見た目にあります。絹や金糸で織り表された金襴生地を用いて、鳳凰や牡丹、唐草模様などを表現した荘厳なデザインが多く見られます。これらは全て、仏様の世界やその教えを表した伝統的な文様です。
仏壇用の座布団の種類
季節
仏壇用座布団には「一年を通して使える金襴生地の座布団」と「夏用に作られた涼し気なイ草座布団」があります。さらに片面が金襴、もう片面がイ草になっているリバーシブルタイプもありますので用途に合わせて最適なものを選びましょう。
大きさ
一般的な仏壇用座布団の大きさは1辺が70cmあります。最近では小さな仏壇に合わせた1辺が60cmのコンパクトタイプも人気です。
綿
仏壇用の座布団には綿をそのまま詰めたフカフカなタイプと圧縮した面を詰めた少し硬めなタイプがあります。座りやすさは好みによりますが、安定感があり、厚みのすっきりした圧縮タイプが人気です。
仏壇用の座布団の置き方
向き
実はどんな座布団にも正面があり、座布団の向きには正しい置き方があります。座布団は縫い目の無い面が正面になります。家にある座布団を見ていただくとわかりますが、1辺だけ縫い目の無い面があるはずです。その面が仏壇側になるように置くのが仏壇用座布団の正しい置き方です。
裏表
また仏壇用の座布団には表と裏があります(リバーシブルタイプは除く)。座布団の中央に房が付いている方が表となり、この面を上にして置きましょう。
仏壇用の座布団の正しいお手入れ方法と保管方法
仏壇用の座布団には湿気が大敵です。普段は保管している場合も仏壇の前に敷きっぱなしにしている場合も、時々外でホコリを払い、日陰干しをすることで長く清潔に使うことができます。ご注意いただきたいのが、長時間日に当ててしまうと紫外線で変色する場合があるということです。必ず日陰で数時間干してください。
また、仏前用の座布団を自宅での洗濯するのはご法度です。金襴など座布団に使用されている生地や繊維は専門知識がないと洗濯は難しいです。座布団を長く使うためにも、必ず専門のクリーニング店に出しましょう。
仏壇用座布団の選び方
他の仏具には宗派や地域によって選び方に気をつけなければならないものもありますが、仏壇用の座布団の選び方に決まりはありません。ご自身の好みや、お部屋のデザインに似合う座布団を選びましょう。あえて言うなら、曹洞宗や臨済宗などでは地味めな柄が、天台宗や浄土宗、浄土真宗では派手なデザインが選ばれる傾向にあります。
まとめ
- 仏壇用の座布団はお坊さんやお祈りする方が座るための座布団
- 一般的な座布団と比較すると大きくて厚みがあり派手なものが多い
- 夏用・冬用・夏冬兼用がある。
- 縫い目のない面が正面に、房のある面を上に向けるのが正しい置き方
- クリーニングは専門店に任せ、自宅では定期的に日陰干しをする
- 選び方に決まりはないので自由に選んでOK