最近の葬儀の傾向
少し前まで、葬儀と言えば親族・知人のほか、近所の人も招くやり方がほとんどでしたが、最近ではいろいろな葬儀があります。
簡単に紹介しましょう。
一般葬
家族・親族のほか、知人や近所の人も招いて行う昔ながらの葬儀を言います。
参列者も多く、盛大に最後のお別れを行うのが、この一般葬です。
現在でも一番多く行われている葬儀です。
家族葬
家族・親族のみで行う葬儀です。
参列者も家族のみなので、ゆっくり静かに故人とのお別れができるのが特徴です。
家族葬専用のセレモニーホールもあり、最近では一般葬との件数の差も縮まってきています。
一日葬
通夜はせず葬儀のみ行うのが、一日葬です。
直葬
通夜・葬儀を行わず、火葬のみの葬儀です。
「終活」という言葉が普及してきたこともあり、生前に自分の葬儀やお墓、財産のこと、延命治療についてなど、もしもの時の自分の希望や要望について書き残す方も増えてきています。
書店には「エンディングノート」も販売されており、気軽に記入できるものもあるため、利用されている方やこれから購入しようかと思ってみえる方も多いのではないでしょうか。
出棺の際のBGMに好きな曲を流したり、祭壇の花も好きだった花を使用するなど、最後の時まで自分らしく、個性あふれる式を行う方も増えたのも、こういった流れによるものだと思います。
遺影の変化
一昔前までの遺影と言えば、故人のちょっと微笑んだような正面を向いた顔に、着物の喪服を着た写真と相場が決まっていました。
その遺影の大半が、普通の衣服を着用して撮影された写真に、喪服や礼服を合成して遺影としたもので、良く言えば常識的、悪く言えば血の通っていない、ただの儀礼的な写真だったと言えるでしょう。
集合写真から故人を抜き出して、服装を修正した後に遺影として使うことも多く、その人らしい表情ではない写真である場合が多々あったように思いますが、葬儀の変化に合わせるように、遺影にも変化が表れてきています。
普段着に大笑いしているもの、趣味に勤しんでいる姿のもの、中にはかなりふざけているような写真など、個性的な遺影も増えてきました。
先日親戚の葬儀に参列したのですが、その時の遺影は旅行の際に家族が撮影した写真を使用しており、普段着の自然な笑顔で、そしてその顔は昔から知ってる故人そのもので、悲しい中にも生前の故人にまた会えたような温かい気持ちになったのを覚えています。
また、自分の気に入った写真を遺影に使用すると決めていたり、写真館で遺影用の写真を撮っている方もいらっしゃいますし、生前遺影の撮影を宣伝している写真館も以前より見かけるようになりましたね。
葬儀の後の遺影はどうしたらいい?
昔ですと各家庭には仏間があり、そこに仏壇と共に遺影が飾られていることが一般的でした。
しかし今は仏間のない家も多く、遺影を飾るスペースがないこともあるので、遺影をどうしたらいいか…と悩んでいる方もたくさんみえるのではと思います。
写真を小さくしてアルバムに貼っておいても良いですし、データで残されてもかまいません。
遺影は本尊や位牌のようにお祀りする対象ではないので、自分で処分することに支障はありません。
ただ、気持ち的に自分で処分することに抵抗を感じる方も多いと思いますので、その際は菩提寺にお願いして供養してもらうのが良いでしょう。
葬儀・遺影共に、いろいろな選択肢が増えていますが、故人を想い、穏やかな気持ちで送り出すことが大切です。
故人の遺志や気持ちを理解し、遺される家族にとっても悔いのないよう、最後の時間を過ごしたいものですね。