仏壇とは
仏壇というと亡くなった人をおまつりするものと思いがちですが、生きている私たちにとっても日々の生活のよりどころとなるものです。
そのため常に礼拝できる場所に置いて、家族揃って手を合わせられるのが望ましい形です。
浄土真宗にはたくさん宗派があり、仏壇の荘厳(かざり)も異なっています。
ここでは真宗高田派の仏壇のかざり方について紹介させていただきます。
仏壇の特徴
真宗高田派の仏壇の最大の特徴は、『絢爛豪華』という言葉がピッタリな金仏壇であることです。
ご実家やご親戚のおうちに、このような仏壇が置かれているなぁと思われる方も多いのではないでしょうか。
私の実家も真宗高田派の信徒で、小さいころから金仏壇を目にして育ってきましたので、『仏壇といえば金仏壇』で、仏壇はどれも金色でキラキラしているものだと思っていました。
初めて違う宗派の仏壇を見た時には、「ピカピカキラキラしてない!!」とびっくりしたものです。
かざりかた
浄土真宗の仏壇では、上段中央の宮殿(ぐうでん)に阿弥陀如来の絵像、向かって右側に親鸞聖人、左側に「南無不可思議光如来」「帰命尽十方無碍光如来」を併せて記した九字十字名号の掛け軸をかけることが一般的です。
浄土真宗は位牌を用いることはなく、個人の法名を書いた掛け軸を仏壇の両側面に掛けたり、代々の法名を記載した過去帳を置きますが、真宗高田派では位牌を用います。
しかし、それらは礼拝の対象ではないので、上段や中央には置かないようにしましょう。
仏具の基本となるものは、花瓶・香炉・ろうそく立の三具足です。
年忌法要・お盆・正月は五具足と言われる、香炉・花瓶一対、ろうそく立一対を用意しましょう。
本山では、「高田の一本松」と言われているように、花瓶には松1本を挿しますが、ご家庭では四季折々の花を挿してかまいません。
ただ、棘のある花や香りの強い花はさけましょう。
本尊
中心に阿弥陀如来の絵像、右側に親鸞聖人、左側に九字十字名号の掛軸を置くのが一般的ですが、右側に「帰命尽十方無碍光如来」の十字名号、左側に「南無不可思議光如来」の九字名号の掛軸をおまつりすることもあります。
仏具
須弥壇の仏具
須弥壇とは本尊を安置する段で、そこには華瓶と仏器を置きます。
ご飯は蓮のつぼみのように、こんもりと盛りましょう。
三具足
花瓶・香炉・ろうそく立を言います。
ろうそく立は亀の背に鶴が乗り、蓮の軸をくわえています。
五具足
年忌法要やお盆、お正月などの特別なときに使用する仏具で、香炉と花瓶・ろうそく立が各一対となっています。
五具足は『麟鳳亀龍(りんぽうきりゅう)』と呼ばれる、中国の4つの聖獣をモチーフとしており、香炉の蓋が麒麟、花瓶には龍が巻きつき、ろうそく立は桐の花をくわえた鳳凰が亀の背に乗った特徴的な形です。
供笥
左右一対を基本とし、落雁や砂糖菓子を供えます。
御書箱
御書(親鸞聖人や歴代上人の手紙類)を納める箱です。
りん
お経を読むときにならします。
さいごに
真宗高田派の本山は津市にありますので、この辺りでは信徒であるご家庭も多いかと思います。
昔からのお家には伝統的な仏壇・仏具が置かれていると思いますので、繊細な細工が施された仏壇・仏具を一度ゆっくり見てみるのも良いのではないでしょうか。