婆娑羅な人

      2018/04/22

建武元年(1234)二条の河原に

「このごろ都ではやるもの」

として、落書きが掲げられました

夜討ちや強盗、と並んで

「茶香十炷(じゅちゅう)の寄合」があげられていました

この十炷香(じゅっちゅうこう)とは

最も基本的な組香で

平安時代の主流であった薫物ではなく

天然の香木を他の香料と配合せずにそのまま炷(た)くという

当時としてはとてもユニークな香による競技方法で

婆娑羅(ばさら)な人々によって楽しまれたといいます

組香( くみこう )とは、色々の香を打交えて一組となし、手に任せて焚きだし聞き当てる方法で、その方法に種々の変化と、趣味ある仕業を施して、勝敗を競う上に一段の興味を添えたものである。そしてその名称に就ては、或いは和漢の探り、或いは名詩歌のよるなどして、専ら風流を旨とし、意匠を凝ったのである。


ところで婆娑羅って聞きなれない言葉ですね

派手な衣装や行動で旧来の権威や概念を

超えようとする思想と行動のすべてをいうのだそうです

その時代の佐々木道誉(1306~1373)がその典型で

立花、茶、香などで

世間をあっと驚かせるスタイルを作りました

道誉は婆沙羅大名と呼ばれましたが

婆沙羅とは、もともとはサンスクリット語から出た言葉で

「乱暴」「無遠慮」「派手」という意味ですが

単なる野蛮な行為ではなく

計算された思考を持って

既成の不合理を壊す行為だったともいわれています

婆娑羅は、ただ新しいだけではなく、

いいものはいい、おもしろいものはおもしろいと

古い価値観に縛られずに

自分の価値観と美意識を具現化することを

よしとするスタイルだったんですね

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