浄土宗の開祖は法然です。
法然は念仏を唱えるだけで極楽往生ができると説き、シンプルでわかりやすい教えは民衆に広く受け入れられました。
ここでは浄土宗のご本尊となる仏さまをご紹介したいと思います。
ご本尊
ご本尊とは信仰のよりどころとなる仏さまのことです。
浄土宗のご本尊は阿弥陀如来ですが、寺院では阿弥陀如来をの向かって右に観音菩薩、左に勢至菩薩を配した阿弥陀三尊の形でまつられています。
観音菩薩は阿弥陀如来の慈悲の徳を、勢至菩薩は知恵の徳を表していると言われています。
阿弥陀如来
浄土真宗の回でも書きましたが、阿弥陀如来とは西方極楽浄土の教主です。
インドの言葉で「阿弥陀」とは限りない命(無量寿)、はかりしれない光明(無量光)の意味であり、阿弥陀仏とは、限りない命と無限の光明をもつ仏様を意味します。
立像のみをご本尊とする浄土真宗とは異なり、浄土宗では立像・坐像どちらもご本尊としてまつります。
観音菩薩
一般に「観音さま」と親しまれている菩薩は、様々な観音がおり、一説には33の姿に変化するとも、無限に変化するとも言われています。
「観音」の「観」には眼だけでなく心も使い物事を見る、「音」には人々の願いの声という意味が込められており、その観音の元の姿が観音菩薩で、「聖観音(正観音)」とも呼ばれます。
観音菩薩は救いを求める人々の声を聴き、苦しみの様をしっかりと見届けて救ってくださる偉大な菩薩です。
勢至菩薩
臨終の時に阿弥陀如来と共にやってきて、人々を西方極楽浄土への往生に導く役割を担っているとされています。
独立してまつられていることはあまりないですが、知恵の光明で人々を照らす仏とされ、阿弥陀信仰が盛んになる前は、単独で信仰されていました。
菩薩はみな穏やかな顔をしています。
阿弥陀如来と脇に控える両菩薩に手を合わせると、より穏やかな気持ちになれるのではないでしょうか。