梵音具(ぼんおんぐ)の一種。球形の内側をくり貫いて空洞にし、横に細長い口を開けたもの。
素材には、朴(ほお)・桑・楠などが使われ、桐を使ったものは特に桐魚(とうぎょ)と呼ぶ。
通常は素地のまま使うものが多いが、黒塗りや朱塗りに仕上げたものもある。
表面には魚や龍の彫刻を施す。木魚用のふとんの上に置き、バチで打ち鳴らして、読経・唱題などの調子をとる。
中国明代に魚鼓から発達したものと思われ、古くは魚板木魚といった。
魚をかたどるのは、魚は昼夜目を開けたままでいることから大衆の怠惰を戒めるためといわれる。