- 「仏壇の購入を考えているけど、価格相場がわからない」
- 「同じような仏壇でも価格が大きく異なるのはなぜ?」
- 「適正価格で仏壇を購入したい」
このようなお悩みを解決いたします。
仏壇は「一生に一度購入するかどうか」という極めて経験を積みにくい商品です。
その上、数万円から数百万円と価格の幅が大きく、最低限の知識がないとお店側がすすめるままに高額な商品を購入してしまいかねません。
そこで本記事では、創業明治39年の仏壇・仏具専門店が仏壇の価格を決める要因について解説し、品質のいい仏壇をお得に購入する方法について解説いたします。
- 仏壇の価格を決める4つの要因を解説
- 仏壇の価格についてタイプ別の相場を紹介
- 品質の良い仏壇をなるべくお得に購入する方法を紹介
仏壇の価格を決める4つの要因
仏壇には安価なものから数百万円もするものまで様々な価格帯のものがあります。しかし価格に大きく影響する要因としては下記の4つしかありません。仏壇店に入る前に、この4つの要因を頭に入れておきましょう。
仏壇が「国産」か「海外産」か
仏壇が国内でつくられているか海外でつくられているかは、価格に大きく影響する要因の1つです。
海外で作られた仏壇は国産に比べると価格が安いものが多いです。作りも決して悪くはないですが、やはり細かな部分や見えない部分に若干の手抜きが見られる場合があり、几帳面な方は気になってしまうかもしれません。
一方で国内で制作された仏壇は職人不足もあり高価な仏壇が多いです。ただし細かな部分や見えない部分まで精巧に作られており、造り手が心を込めて制作している姿が思い浮かびます。
国産・海外産のメリット・デメリットを表にまとめると下記のようになります。
国産 | 海外産 | |
価格 | △高価な仏壇が多い。 | ◎国産品と同じ見た目でも価格の安いものが多い。 |
品質 | ◎細かな部分まで精巧に制作されている。日本人の職人が心を込めて作る工芸品レベルの品も多い。 | ◯通常使用するには問題ないレベル。最近では検品は日本で行われる場合もあり改善されている。 |
メンテナンス性 | ◎修理して長く使うことを前提に作られている。木製部品を中心に使用され、欠品することが少ない。 | △修理前提で作られておらず、修理の方が高額になることも多いので基本的には買い替えをおすすめ。 |
耐用年数 | ◎数十年に一度は修理をしていくことで50年〜100年は使用できる。 | ◯20年〜30年で塗装が劣化。そのタイミングで買い換えられることが多い。 |
包装 | ◯国産のダンボールやパッキンを使って丁寧に梱包されています。中には新聞紙やスポーツ紙でくるまれていることもあります。 | ◯海外産のダンボールやパッキンを使って梱包されています。輸送距離が長いため清潔さは国産に劣ります。 |
すべての商品に当てはまるわけではありませんが、全体的な傾向として参考にしてください。
素材
仏壇には黒檀や紫檀などの銘木と呼ばれる唐木材が使われます。これらは重厚感があり、耐久性にも優れた木材ですが希少性が高く、その分が価格に反映されます。
最近では家具に使用されるようなタモ材やウォールナット材、またMDF(木質繊維版)等の比較的安価で耐久性もある木材が多く使われるようになりました。
仏壇を置く場所にもよりますが、洋室に置くのであれば、高級な唐木仏壇よりもウォールナット材で作られた仏壇の方が似合うことも多いので、検討してみてはいかがでしょうか。
また伝統型仏壇の場合「素材の使い方」も価格に影響してきます。
少し難しい話なのでこの記事では深く説明しませんが、簡単にいうと「見た目が同じ黒檀の仏壇だとしても、実際に黒檀が使われている分量が異なることがある」ということです。
以下に伝統仏壇で用いられる素材の使い方について簡単にまとめました。業界知識なので覚える必要はありませんが、知っていると仏壇選びで有利になるかもしれません。
工法 | 価格 | 特徴 |
練り | 高 | 芯材の上に無垢材を張り合わせる唐木仏壇の伝統的な工法。最も高級感ある仕上がりになる。 |
厚板貼り | 高〜中 | 数ミリにスライスした唐木を芯材に張り合わせる工法。 |
薄板貼り | 中〜低 | 薄くスライスした唐木を芯材に張り合わせる工法。 |
〇〇調プリント | 低 | 木目が印刷された塩ビシートを芯材に張り合わせる工法。リーズナブルだが耐久性が無い。 |
大きさ
仏壇は大きな商品の方が高額になります。
先程、素材について触れましたが仏壇の価格は材料費に大きく影響されるため、使用される木材が増えれば価格にも反映されます。
デザイン
伝統型の仏壇と家具調のシンプルな仏壇では、伝統型の方が細かな装飾が多いので、制作に手間がかかります。なので基本的には伝統型仏壇の方が高額な商品が多いです。
ただし、家具調の仏壇の中にはデザイナーを起用したスタイリッシュな仏壇もあり、その場合は価格が高くなります。
仏壇の価格相場
それではこれまでの内容をふまえて、仏壇のタイプ別に相場をまとめます。
国産 | 海外産 | |
小さく、装飾の少ない仏壇 | 300,000円 | 200,000円 |
小さく、装飾の多い仏壇 | 400,000円 | 300,000円 |
大きく、装飾の少ない仏壇 | 600,000円 | 400,000円 |
大きく、装飾の多い仏壇 | 800,000円 | 500,000円 |
上記は参考値であり、もちろんもっと安い仏壇やもっと高い仏壇も販売されています。ただ、価格には必ず理由があり、どんな仏壇でも上で紹介した4つの要因のどこかで調整が行われていると考えてください。
それを踏まえてここからは、なるべく品質のいい仏壇をできる限り安く買う方法をご紹介します。
品質のいい仏壇をお得に購入する方法
安価な木材を選ぶ
仏壇に使われる木材には高級なものから安価なものまで様々な種類がありますが、高額な素材でなくても十分な耐久性を持っています。
もし仏壇の購入価格を抑えたいのであれば、まずは安価な素材の仏壇に選択を絞っていくのがオススメです。
具体的には、シンプルなデザインの仏壇であればタモ材やウォールナット材、伝統的なデザインの仏壇であれば薄板張りの黒檀、紫檀、ケヤキがオススメです。
海外産の仏壇を選ぶ
海外製の仏壇は国産に比べて大幅に安い価格が付けられます。
「でも品質が心配・・・」と思われるかもしれませんが、海外製でも品質の悪いものは少なくなりました。
というのも、海外工場で仏壇を制作する場合も日本人の管理者を向上に配置したり、最終的な検品は日本で行ったりと、品質管理体制を整えているメーカーがほとんどです。
「大切な仏様やご先祖様の魂を祀るのだから絶対に国産にこだわりたい」というお考えであればやはり品質の高い国産仏壇をおすすめします。
しかし、それほどこだわりがなければ海外産でも十分満足の行くお仏壇に出会えることでしょう。
装飾の少ない仏壇を選ぶ
装飾は職人の工数が多くかかり、高額になりやすいポイントです。
例えば細かい彫り細工の入った欄間や美しい蒔絵の入った扉は目を引きつけますが、職人の手間ひまがかかっている分、お値段も高額になります。
好みにもよりますが、装飾が少ないほうが仏壇内部がスッキリし、掃除もしやすいという面でもシンプルな仏壇は人気を集めています。
良い店員を見極めて仲良くなる
ここが一番大事大事なのですが、良い仏壇選びでは信頼できる店舗や店員さんと出会えるかにかかっています。
安い仏壇は山ほどありますが、その中でもいい仏壇を見極めて適切な価格で扱っているかはお店や店員の実力や良心によります。
どんな商品にも言えることですが、安くて品質の悪い商品が多いのも事実です。
だからこそ、「安くても品質のいい商品を紹介してくれる」そんな店をいかに見極めるかが仏壇選びでは最も重要になってきます。
でも安心してください。この記事に書かれていることを頭に入れて、店員さんとじっくりと会話をすれば、本当に購入者のことを考えて接客しているかはわかるはずです。
こちらの住宅環境や希望条件を考慮せずに、一方的におすすめの仏壇を提案してくる販売員には気をつけましょう。
信頼できる店員さんを見つけ、自分の希望や設置場所の条件を伝えて、それに合わせた仏壇を紹介してくれるお店から買いましょう。
仏壇の価格についてのまとめ
- 仏壇の価格は産地、素材、大きさ、デザインに大きく影響される
- 価格を抑えたい場合はタモやウォールナットのシンプルな仏壇を選ぶのがオススメ
- 何より大事なのは信頼できるお店を見極めて店員と仲良くなること
以上、仏壇選びの参考になればうれしく思います。