
数珠を選ぼうとすると、必ず出てくるのが「本式(ほんしき)」と「略式(りゃくしき)」という言葉です。見た目は似ていても、長さ・玉数・使える宗派が大きく異なり、価格も倍以上変わります。
この記事では、本式と略式の違いを整理し、「どちらを選ぶべきか」「両方必要か」をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 本式数珠と略式数珠の構造的な違い
- それぞれが使える宗派・場面
- 価格帯の目安
- 初めての1本の選び方
本式数珠とは
本式数珠は、各宗派の正式な形に沿って作られた数珠です。「二連数珠」「正式数珠」とも呼ばれ、主玉が108玉あるのが基本です。
- 念仏の回数を108回(煩悩の数)数えるための、本来の形
- 二重にして手にかけるほどの長さがある
- 房の形・玉の配列・持ち方が宗派ごとに異なる
- 菩提寺がはっきりしている方や、宗派の作法をきちんと守りたい方向け
108玉の意味については「数珠の意味と由来|なぜお葬式や法事で必要なの?」で詳しく解説しています。
略式数珠とは
略式数珠は、宗派を問わず使えるように簡略化された数珠です。「片手数珠」「一連数珠」とも呼ばれます。
- 玉数は54玉・36玉・27玉・22玉・18玉など、本式の半分以下
- 片手で軽く握れる長さ
- 宗派を問わず使えるのが最大の特徴
- 現在、一般に広く流通しているのはほとんどがこの略式
本式と略式の違い早見表
| 項目 | 本式数珠 | 略式数珠 |
|---|---|---|
| 別名 | 二連数珠・正式数珠 | 片手数珠・一連数珠 |
| 主玉の数 | 108玉 | 54/36/27/22/18玉など |
| 長さ | 二重にして手にかける | 片手で握れる |
| 使える宗派 | 特定の宗派の作法に沿う | 全宗派で使える |
| 価格帯 | 2万円〜十数万円 | 3千円〜3万円 |
| おすすめの方 | 菩提寺がある・作法を重視 | 初めての1本・兼用したい |
どちらを選ぶべきか
初めての1本なら「略式」
はじめて数珠を持つ方、またはご家族の葬儀・法事に備えて1本用意しておきたいという方は、略式数珠で十分です。
- 宗派が違う葬儀にも参列できる
- 価格が手頃で手が届きやすい
- 玉数が少なくてもご利益が劣ることはない
菩提寺がはっきりしている方は「本式」
ご自宅に仏壇があり、宗派の作法をきちんと守りたい方には本式数珠がおすすめです。
- 菩提寺での法要で作法にかなった所作ができる
- 同じ宗派の方が集まる場で違和感がない
- 一生ものとして受け継ぐこともできる
両方持つという選択肢
普段の法要や仏壇参りには本式、急な葬儀や宗派の違う式には略式、と使い分ける方もいらっしゃいます。ただし「1本しか持たない」のが失礼というわけではまったくありません。
宗派別・本式数珠の特徴
本式数珠は宗派によって形が異なります。主な違いは以下の通りです。
- 浄土真宗: 蓮如結びの房。西本願寺派と大谷派で房の形が異なる
- 真言宗: 主玉108個、両端に房が4本ずつ。振分(ふりわけ)数珠
- 日蓮宗: 主玉108個、房が5本。菊房がついた独特の形
- 曹洞宗・臨済宗: 金属の輪が入った一連の数珠
- 浄土宗: 二連の輪違いになった独特の形
- 天台宗: 平たい主玉。平玉数珠とも呼ばれる
各宗派の持ち方は「数珠の持ち方・使い方【宗派別のマナーをわかりやすく解説】」でまとめています。
価格の目安
| 種類 | 価格帯の目安 |
|---|---|
| 略式(女性用・ガラス玉) | 3,000円〜 |
| 略式(男性用・天然木) | 5,000円〜 |
| 略式(水晶・天然石) | 1万円〜3万円 |
| 本式(天然木) | 2万円〜5万円 |
| 本式(高級木・宝石) | 10万円〜 |
素材と房の種類によって大きく変動します。詳しくは「正しい数珠の選び方【用途別に選べば失敗しない!】」をご覧ください。
よくある質問
Q. 略式で葬儀に出ても失礼になりませんか?
A. なりません。略式は宗派を問わず使える正式な数珠です。
Q. 親から譲り受けた本式を、違う宗派の法事で使ってもいい?
A. 基本は「一人一つ」で、宗派が合えば問題ありません。違う宗派の法事の場合は略式を別途用意するのが安心です。
Q. 本式の方がご利益が大きいのですか?
A. 玉数や形式でご利益に差はありません。大切なのは故人を偲び、仏様に手を合わせる気持ちです。
まとめ
- 本式数珠は108玉・宗派別の正式な形、略式数珠は半分以下の玉数で全宗派兼用
- 初めての1本は略式で十分、玉数でご利益は変わらない
- 菩提寺がある方は本式を1本持っておくと安心
- 価格は略式3千円〜、本式2万円〜が目安
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