

そもそも数珠って何のためにあるの?
数珠を持っていないと失礼になる?
このような疑問にお答えします。
お葬式や法事で何気なく手にしている数珠。でも、「なぜ数珠を持つのか」「数珠にはどんな意味があるのか」と聞かれると、意外と答えられない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、数珠の意味や由来、108玉に込められた意味などをわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 数珠とは何か、その役割
- 数珠の由来と歴史
- 108玉の意味
- 数珠を持たないのは失礼なのか
数珠とは?
数珠は、仏前で手を合わせるときに使う仏具です。「じゅず」と読みます。「念珠(ねんじゅ)」「珠数」とも呼ばれ、いずれも同じものを指します。
名前の通り、もともとは**念仏を唱えた回数を「数える」ための「珠(たま)」**です。念仏を1回唱えるごとに珠を1つ繰り、何回唱えたかを数えるために使われていました。
現在では回数を数える目的で使う方は少なくなりましたが、仏前で手を合わせるときの必需品として、広く使われ続けています。
数珠の由来と歴史
インドから中国、そして日本へ
数珠の起源は古代インドにさかのぼります。ヒンドゥー教やバラモン教で、祈りの回数を数えるために使われていた道具が原型とされています。
仏教に取り入れられたのは、お釈迦様の時代とも言われています。『木槵子経(もくげんじきょう)』というお経の中に、お釈迦様が国王に「108個の木槵子(むくろじ)の実を連ねて念仏を唱えなさい」と説いた記述があります。
中国を経由して日本に伝わったのは奈良時代のこと。正倉院には聖武天皇が愛用したとされる数珠が現存しており、1200年以上の歴史があることがわかります。
一般に広まったのは鎌倉時代
奈良時代や平安時代には、数珠は僧侶や貴族だけが持つものでした。一般の人々に広まったのは鎌倉時代以降、浄土宗や浄土真宗、日蓮宗などの新しい宗派が念仏の大切さを説き、広く庶民に信仰が浸透してからです。
108玉の意味
本式数珠(二連数珠)には108個の主玉があります。この「108」という数字には、深い意味が込められています。
煩悩の数を表す
108は人間の煩悩の数とされています。煩悩とは、心を悩ませ苦しめる欲望や怒り、迷いのこと。数珠の108の珠は、この108の煩悩を消滅させるという意味を持っています。
除夜の鐘を108回撞くのも、同じ由来です。
108の内訳には諸説ある
108の煩悩の数え方にはいくつかの説があります。
- 六根(ろっこん)から数える説: 眼・耳・鼻・舌・身・意の6つの感覚器官 × 好・悪・平の3種 × 浄・染の2種 × 過去・現在・未来の3世 = 108
- 十二因縁から数える説: 仏教の根本思想である十二因縁に基づく計算
いずれにしても、108という数字には「人間のあらゆる苦しみを数珠の力で取り除く」という願いが込められています。
略式数珠の玉の数
一般的に広く使われている略式数珠(片手数珠)は、108玉ではなく、その半分の54玉、3分の1の36玉、4分の1の27玉、あるいは22玉や18玉など、さまざまな玉数があります。
玉数が少ないからといって、ご利益が劣るということはありません。略式数珠は宗派を問わず使えるため、「まず1つ持っておきたい」という方におすすめです。
詳しくは「正しい数珠の選び方【用途別に選べば失敗しない!】」で解説しています。
数珠の構造と各部の名前
数珠はただ珠を連ねただけのものではなく、それぞれのパーツに意味と名前があります。
主玉(おもだま)
数珠の大部分を構成する珠。念仏を数えるときに繰る珠です。
親玉(おやだま)
主玉よりも一回り大きい珠で、数珠の中心となる珠です。房がつけられています。阿弥陀如来や釈迦如来を表すとされ、合掌の際にこの珠が上に来るように持ちます。
天玉(てんだま)
主玉の間に入る、やや小さい珠。四天王を表すとされ、4つ配置されることが多いです。
房(ふさ)
親玉の下に垂れる糸の束。房の形には頭付房、梵天房、紐房などがあり、宗派や好みによって異なります。
数珠を持つことの意味
数珠を手にして合掌することには、次のような意味があるとされています。
身を清める
数珠を持って仏前で手を合わせることで、煩悩が消え、身が清められるとされています。数珠は「お守り」としての役割も持っています。
仏様とのご縁を結ぶ
数珠を通じて仏様とご縁を結び、功徳を得られるとされています。このため、数珠は一人ひとりの持ち物であり、貸し借りはしないのが基本です。
故人への敬意を示す
お葬式や法事で数珠を持つことは、故人への敬意と弔いの気持ちを表すことでもあります。
数珠を持っていないのは失礼?
結論から言えば、数珠を持っていなくても失礼にはなりません。
数珠は仏教の法具ですので、他の宗教を信仰している方や、無宗教の方が持たないのは自然なことです。また、急な訃報で数珠を用意できなかった場合も、手ぶらで参列しても問題ありません。
ただし、日本の仏式の葬儀や法事では、数珠を持つのが一般的なマナーとされています。「持っていないことを気にしてしまう」という方は、略式数珠を1つ用意しておくと安心です。
数珠の持ち方について詳しくは「数珠の持ち方・使い方【宗派別のマナーをわかりやすく解説】」をご覧ください。
まとめ
- 数珠は念仏の回数を数えるための仏具で、1200年以上の歴史がある
- 108玉は人間の煩悩の数を表し、煩悩を消滅させる意味がある
- 略式数珠は宗派を問わず使えて、玉数が少なくてもご利益は変わらない
- 持っていなくても失礼ではないが、1つ用意しておくと安心
数珠についてのご質問や、お手持ちの数珠の修理のご相談など、お気軽にお問い合わせください。