

今年はじめてお盆を迎えるのですが、何から準備すればよいでしょうか?松阪の慣習を教えてください。
このような疑問に、創業明治39年・三重県松阪市の仏壇仏具専門店「ぶつえいどう」がお答えします。
この記事の内容
- 松阪・三重で初盆を迎える時期と慣習がわかります
- 6月から8月までの準備チェックリストがわかります
- 松阪固有のお盆慣習(提灯・お盆団子・行灯)がわかります
- マンションでもできる松阪流のお迎え方法がわかります
初盆とは
初盆(はつぼん)とは、故人が亡くなって初めて迎えるお盆のことで、新盆(にいぼん)とも呼ばれます。
一般的には、四十九日の法要が終わった後の最初のお盆を指します。もし四十九日よりも前にお盆の時期が来た場合は、翌年が初盆になります。
初盆は、ご家族にとって故人をあの世から初めてお迎えする大切な節目です。
松阪・三重の初盆の時期
松阪を含む三重県では、旧暦ではなく8月にお盆を迎えるのが一般的です。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 8月13日 | お迎えの日 |
| 8月14日〜15日 | お盆の中日 |
| 8月16日 | お送りの日 |
ただし、地域やご家庭、宗派によって慣習は異なります。ご自身の宗派の作法、また菩提寺のご住職にもぜひご相談ください。
松阪固有のお盆の慣習
ここからが、全国一般のお盆解説とは異なる松阪・三重で大切にされている慣習です。
1. 絵柄入りの盆提灯でお迎えするご家庭が多い

全国的には「初盆には白提灯を吊るす」という慣習が広く知られています。しかし松阪では、絵柄入りの盆提灯でお迎えするご家庭が多くあります。
ご親族や知人から贈られる絵柄入りの提灯、ご家庭で代々お使いの提灯を、そのまま玄関や軒先・お仏壇のそばにお飾りいただいてかまいません。
提灯の灯りが、故人の霊が迷わず帰ってこられる目印となります。
全国向けの一般的な「初盆=白提灯」のルールについては、別記事新盆に飾る盆提灯の種類と特徴【失敗しない選び方も詳しく解説】で詳しく解説しています。
2. 迎え火・送り火は焚かない
全国的には麻の茎(おがら)を焚いて迎え火・送り火を行う地域が多くありますが、松阪では火を焚かず、盆提灯の灯りで故人の霊をお迎えし、お送りするのが昔からの慣習です。
- 8月13日の夕方:盆提灯に灯りをともし、故人の霊を温かくお迎えする
- 8月16日の夕方:同じ提灯の灯りで故人の霊を見送る
火を扱わない松阪のお迎え方は、マンションや集合住宅でも安心してお盆を迎えられる、合理的な慣習でもあります。
3. 行灯(あんどん)は祭壇のそばに灯す

行灯(あんどん)は、お仏壇の脇または盆棚(祭壇)のそばに灯します。お盆の期間を通してやわらかな光でご先祖様をお守りいただく役割があります。
電気式やLEDの行灯であれば、火事の心配もなく安心してお使いいただけます。
4. ピラミッド型のお盆団子をお供えする

松阪では、ピラミッドのように積み重ねたお盆団子(おはぎ・米粉団子)をお供えするご家庭が多くあります。
お盆の時期(8月12日ごろ)が近づくと、地元のスーパーや和菓子店の店頭に並びますので、お迎えの前日までにお求めください。
お供えしたお団子は、お盆の最終日(16日)に家族でいただくのが慣習です。
時系列で整える 初盆準備チェックリスト
焦らず、一つずつ進めていただければ大丈夫です。
6月〜7月上旬まで
- 菩提寺に連絡し、お盆の法要(棚経・盆施餓鬼)の日程を確認する
- 盆提灯を準備する(松阪では絵柄入りの提灯でお迎えするご家庭が多くあります)
- 盆提灯をご親族・知人へ案内する必要がある場合、声かけをする
- お仏壇のまわりを整理し、清める(ほこりを払う、仏具を清拭するなど)
- 親族への連絡・集まりの段取りを確認する
※お盆直前は提灯の在庫が少なくなります。早めのご準備をおすすめします。
7月下旬〜8月上旬
- 盆棚(精霊棚)の準備(お仏壇の前またはそばに設ける簡単な棚)
- 仏花(生花)を手配する手順を確認する(8月13日に飾るため、12日頃に入手できるよう段取りする)
- お供え物(果物・お菓子・精進料理など)の準備を考える
- お盆団子を地元のスーパーや和菓子店で確認する(8月12日ごろから店頭に並びます)
- 線香・ろうそくの在庫を確認する
- 行灯(あんどん)を祭壇のそばに飾る場所を確認する
8月13日 — お迎えの日
- 仏花を新しく飾る
- 盆提灯に灯りをともしてお迎えする(LEDや電気式ローソクで安全に)
- 行灯(あんどん)を祭壇のそばに灯す
- 夕食として精進料理(霊供膳)をお供えする
8月14日〜15日 — お盆の中日
- 毎朝・夕に仏前で手を合わせ、お線香を供える
- ご住職の棚経(たなきょう)がある場合は丁寧にお迎えする
- ご親族が集まる場合は、故人のお話や思い出を共有する時間を
- お供え物を新しいものに替える
8月16日 — お送りの日
- 夕方、提灯の灯りで故人の霊を丁重にお送りする
- お盆の最後のお供えを丁寧に整える
- 盆棚・お供え物を片付ける(お供えした食べ物は、家族でいただいてかまいません)
- 盆提灯・行灯は丁寧にしまい、翌年以降も大切にお使いください
白提灯をお使いの場合は1年限りのため、お焚き上げを菩提寺にご相談ください。
お供え物の基本
初盆のお供えは、旬の果物・お菓子・精進料理が基本です。故人が生前好んでいたものをお供えするのもよいでしょう。
「霊供膳(れいぐぜん)」とは、お仏壇にお供えするための小さなお膳です。ご飯・汁もの・煮もの・和えもの・漬物が基本の5品構成です。
毎日のお供えが難しい場合は、お盆期間中(13〜16日)だけでも丁寧に整えることをおすすめします。
よくあるご質問
Q. 仏壇がない場合は?
小さな祭壇(経机や棚)に白布を敷き、位牌・写真・花・線香立てを置くだけで大丈夫です。形よりも、手を合わせる場所をつくることが大切です。
Q. 精霊馬(きゅうりやなすの飾り)は必要ですか?
松阪では、きゅうりやなすで精霊馬を飾る慣習はあまり一般的ではありません。飾ってはいけないということではないので、ご家庭やご親族の慣習に合わせてご判断いただいてかまいません。
精霊馬の意味や全国的な飾り方についてはお盆のなすときゅうりの飾り方|精霊馬の意味と作り方で解説しています。
Q. マンションで暮らしているのですが、お盆を迎えられますか?
松阪のお迎え方は火を焚かないため、マンションや集合住宅でも安心して初盆を迎えられます。盆提灯(または電気式提灯)を玄関先または窓際に灯し、お仏壇のそばに行灯を灯すだけで十分です。
Q. 遠方の家族が集まれない場合は?
初盆に全員が集まれなくても、その後のお彼岸やご命日に改めて集まる機会を設けることもできます。家族の事情に合わせて、無理のない形で行うことが大切です。
Q. 初盆の白提灯は必ず必要ですか?
松阪では絵柄入りの盆提灯でお迎えするご家庭が多いため、白提灯にこだわる必要はありません。ただし、宗派・地域・ご家庭の慣習によっては白提灯を用意することもありますので、菩提寺のご住職にご相談ください。
Q. 何を準備すればよいか、一人では不安です
ぶつえいどうでは、初盆にまつわるご相談をお受けしております。お電話や来店、LINE公式アカウントから、お気軽にお声がけください。
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まとめ
松阪の初盆は、全国一般の慣習とは異なる点がいくつかあります。
- 絵柄入りの盆提灯でお迎えするご家庭が多い(白提灯必須ではない)
- 迎え火・送り火は焚かず、提灯の灯りでお迎え・お送りする
- 行灯(あんどん)は祭壇のそばに灯す
- ピラミッド型のお盆団子をお供えする
- 精霊馬(きゅうり・なす)の習慣はあまり一般的でない
これらは「正解」というより、松阪の地域に根付いた静かな慣習です。ご家庭の事情・宗派・菩提寺のご住職のご指導も大切にしながら、無理のない範囲でお迎えいただければと思います。
ぶつえいどうは、創業明治39年(1906年)から松阪の地で、はじめての初盆を迎えるご家庭のお手伝いをしてまいりました。盆提灯のお選び・お供えのご相談・お仏壇まわりの整え方など、お気軽にご相談ください。