

今年はじめて初盆を迎えるのですが、棚経や初盆送りなど何から段取りすればよいでしょうか?松阪の慣習を教えてください。
このような疑問に、創業明治39年・三重県松阪市の仏壇仏具専門店「ぶつえいどう」がお答えします。
この記事の内容
- 松阪の初盆の3本柱(棚経・初盆送り・施餓鬼法要)の段取りがわかります
- 6月から8月23日までの準備チェックリストがわかります
- 松阪固有のお盆慣習(提灯・お盆団子・行灯)がわかります
- お布施・引き出物・菩提寺との付き合いまでカバー
初盆とは
初盆(はつぼん)とは、故人が亡くなって初めて迎えるお盆のことで、新盆(にいぼん)とも呼ばれます。
一般的には、四十九日の法要が終わった後の最初のお盆を指します。もし四十九日よりも前にお盆の時期が来た場合は、翌年が初盆になります。
初盆は、ご家族にとって故人をあの世から初めてお迎えする大切な節目です。
通常のお盆と異なり、初盆では菩提寺との段取り(棚経・初盆送り・施餓鬼法要)が手厚く行われ、初盆精霊棚・盆提灯・初盆飾りなど、初めてご準備いただくものが多くあります。ご親族をお招きしての法要・お墓参りも、ふだんのお盆より丁寧に営まれるのが一般的です。
松阪・三重の初盆の時期
松阪を含む三重県では、旧暦ではなく8月にお盆を迎えるのが一般的です。松阪の初盆の主な段取りは次の通りです。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 8月7日 | 棚経(お迎え)— 菩提寺のご住職が自宅へお越しになり、初盆のお勤めをされます |
| 8月13日・14日・15日のいずれか | 初盆送り — 精霊棚を菩提寺へお運びして送ります |
| 8月23日前後 | 初盆施餓鬼(せがき)法要 — 菩提寺の本堂で執り行われます |
ただし、日程は菩提寺によって異なります。ご自身の宗派の作法、また菩提寺のご住職にもぜひご相談ください。
初盆は「自宅・菩提寺・お墓」の3つの場で
初盆は、ご自宅でのお迎えだけでなく、菩提寺・お墓を含めた3つの場で営まれるのが基本です。
- ① 棚経(たなぎょう) — 8月7日に菩提寺のご住職が自宅へお越しになり、初盆のお勤めをされます
- ② 初盆送り — 8月13日〜15日のいずれかに、精霊棚を菩提寺へお運びして送ります
- ③ 墓回向(はかえこう) — お盆期間中、菩提寺の境内墓地や集合墓地で僧侶のお勤めが行われることがあります
- ④ 施餓鬼(せがき)法要 — お盆行事の最後に営まれる伝統的な法要。初盆を迎えたご家族がお参りします。初盆の場合は、通常の施餓鬼法要とは分けて行われることがあります(8月23日前後)
日程・場所・お布施・服装は菩提寺によって異なります。6月のうちにご住職へご連絡し、初盆の段取りをご確認いただくのが安心です。
松阪固有のお盆の慣習
ここからが、全国一般のお盆解説とは異なる松阪・三重で大切にされている慣習です。
1. 絵柄入りの盆提灯でお迎えするご家庭が多い

全国的には「初盆には白提灯を吊るす」という慣習が広く知られています。しかし松阪では、絵柄入りの盆提灯でお迎えするご家庭が多くあります。
初盆では、新たに盆提灯をお求めになり、玄関や軒先・お仏壇のそばにお飾りいただくのが基本です。ご親族や知人から贈られた絵柄入りの提灯がある場合は、合わせてお飾りください。
提灯の灯りが、故人の霊が迷わず帰ってこられる目印となります。
※お盆直前は提灯の在庫が少なくなります。早めのご準備をおすすめします。
全国向けの一般的な「初盆=白提灯」のルールについては、別記事新盆に飾る盆提灯の種類と特徴【失敗しない選び方も詳しく解説】で詳しく解説しています。
2. 迎え火・送り火は焚かない
全国的には麻の茎(おがら)を焚いて迎え火・送り火を行う地域が多くありますが、松阪では火を焚かず、盆提灯の灯りで故人の霊をお迎えし、お送りするのが昔からの慣習です。
初盆では、菩提寺との段取りも加わります。
- 8月7日:菩提寺のご住職を自宅にお迎えして棚経(たなぎょう)を執り行い、故人の霊を温かくお迎えする
- 8月13日・14日・15日のいずれか:精霊棚を菩提寺へお運びして「初盆送り」のお勤めをお受けし、故人の霊を見送る
火を扱わない松阪のお迎え方は、マンションや集合住宅でも安心してお盆を迎えられる、合理的な慣習でもあります。
3. 行灯(あんどん)は祭壇のそばに灯す

行灯(あんどん)は、お仏壇の脇または盆棚(祭壇)のそばに灯します。お盆の期間を通してやわらかな光でご先祖様をお守りいただく役割があります。
電気式やLEDの行灯であれば、火事の心配もなく安心してお使いいただけます。
4. ピラミッド型のお盆団子をお供えする

松阪では、ピラミッドのように積み重ねたお盆団子(落雁・米粉団子など)をお供えするご家庭が多くあります。
7月下旬から、地元のスーパー・和菓子店の店頭に並びはじめますので、お早めにお求めいただくと安心です。
お供えしたお団子は、お盆の最終日に家族でいただくのが慣習です。
時系列で整える 初盆準備チェックリスト
焦らず、一つずつ進めていただければ大丈夫です。
6月〜7月上旬まで
- 菩提寺に連絡し、初盆の段取りを確認する
- 棚経の日程(自宅参詣か寺で行うか)
- 初盆送りの日時・場所
- 墓回向(お墓でのお勤め)の有無・日程
- 施餓鬼法要の日時
- 初盆精霊棚(にいぼんしょうろうだな)を準備する(通常の盆棚と別に、初盆専用の棚を仏壇店等でご用意するご家庭が多くあります)。初盆精霊棚にお祀りする初盆用の白木位牌(しらきいはい)もあわせてご準備ください
- 盆提灯を準備する(松阪では絵柄入りの提灯でお迎えするご家庭が多くあります)
- お仏壇のまわりを整理し、清める(ほこりを払う、仏具を清拭するなど)
- 親族への連絡・集まりの段取りを確認する(施餓鬼法要・お墓参りの日程共有を含む)
- 初盆まいりの対応・返礼の段取りを家族で確認・手配する(ご親族や弔問の方々をお迎えする準備と、頂戴したお供えへの返礼品の手配を含みます)
- 棚経・施餓鬼法要のお布施を準備する(金額の目安・お渡しの作法は菩提寺へご確認ください)
※お盆直前は提灯の在庫が少なくなります。早めのご準備をおすすめします。
7月下旬〜8月上旬
- 初盆精霊棚を組み立て、お飾りを整える(棚経の日までに飾り終えるよう段取りしてください)
- 仏花(生花)を手配する手順を確認する
- お供え物(果物・お菓子・精進料理など)の準備を考える
- お盆団子を地元のスーパーや和菓子店で確認する(7月下旬から店頭に並びはじめます)
- 線香・ろうそくの在庫を確認する
- 盆提灯・行灯(あんどん)を飾る場所を確認する(盆提灯は玄関・軒先・お仏壇のそば、行灯は祭壇のそば)
8月7日 — 棚経(たなぎょう)のお迎え
- 菩提寺のご住職が自宅へお越しになり、初盆の棚経を執り行います(松阪では8月7日に行われることが多くあります。日程は菩提寺の通知に従ってください)
- 棚経までに初盆精霊棚を飾り終えておく
- 表書き「御布施」のお布施をご用意する
- 菩提寺へ精霊棚をお運びする日時をご住職と確認する(松阪では8月13日・14日・15日の夕方が多く、寺院によっては8月10日〜12日のうちにお運びする場合もあります。お運びの日時は菩提寺から指定されますので、通知に従ってください)
8月13日〜15日 — お盆期間中(初盆送り/お墓参り)
- 毎朝・夕に仏前で手を合わせ、お線香を供える
- お供物は随時新しいものに替える
- 指定の日時に菩提寺へ精霊棚をお運びし、初盆送りのお勤めをお受けする
- ご家族・ご親族でお墓参りに行く(菩提寺で墓回向が行われる場合は、日程に合わせてお参りください)
- ご親族と故人を偲ぶ時間を大切に
8月23日前後 — 初盆施餓鬼(せがき)法要
- 菩提寺の本堂で執り行われる初盆施餓鬼法要にお参りする(松阪では8月23日前後に行われることが多くあります。日程は菩提寺の通知に従ってください)
- 表書き「御布施」のお布施をご用意する
- 服装・参加人数は菩提寺によって異なります(自由とされる寺院も多くあります)
※遠方で日程が合わない場合は、7月中に菩提寺へ前倒しで法要をお願いできる寺院もあります。早めにご相談ください。
法要を終えてから
- 盆提灯・行灯は丁寧にしまい、翌年以降も大切にお使いください
お盆までに用意したいものリスト
- 霊供膳(れいぐぜん) — お仏壇にお供えする小さなお膳。基本5品構成
- 導師座布団(どうしざぶとん) — 棚経でご住職にお座りいただく座布団
- 盆提灯(ぼんちょうちん) — 玄関・軒先・お仏壇のそばに飾る提灯。松阪では絵柄入りでお迎えするご家庭が多くあります
- 行灯(あんどん) — お仏壇の脇・盆棚のそばに灯すあかり
- 初盆飾り — 初盆精霊棚(しょうろうだな)本体と飾り一式
- 初盆用の白木位牌(しらきいはい) — 初盆精霊棚にお祀りする白木の位牌
- お線香・ローソク — 朝夕のお勤め・お盆期間中のお供えに
準備にお迷いの品がございましたら、ぶつえいどうへお気軽にご相談ください。
初盆のお供え物について
初盆のお供えは、通常のお盆より丁寧に整えるご家庭が多くあります。ご親族や来客にも見ていただく場ですので、彩りと品数を意識して整えていただくとよいでしょう。
旬の果物・お菓子・精進料理が基本です。故人が生前好んでいたものをお供えするのもよいでしょう。
「霊供膳(れいぐぜん)」とは、お仏壇にお供えするための小さなお膳です。ご飯・汁もの・煮もの・和えもの・漬物が基本の5品構成です。
よくあるご質問
Q. 仏壇がない場合は?
小さな祭壇(経机や棚)に白布を敷き、位牌・写真・花・線香立てを置くだけで大丈夫です。形よりも、手を合わせる場所をつくることが大切です。
Q. 精霊馬(きゅうりやなすの飾り)は必要ですか?
松阪では、きゅうりやなすで精霊馬を飾る慣習はあまり一般的ではありません。飾ってはいけないということではないので、ご家庭やご親族の慣習に合わせてご判断いただいてかまいません。
精霊馬の意味や全国的な飾り方についてはお盆のなすときゅうりの飾り方|精霊馬の意味と作り方で解説しています。
Q. マンションで暮らしているのですが、お盆を迎えられますか?
松阪のお迎え方は火を焚かないため、マンションや集合住宅でも安心して初盆を迎えられます。盆提灯(または電気式提灯)を玄関先または窓際に灯し、お仏壇のそばに行灯を灯すだけで十分です。
Q. 遠方の家族が集まれない場合は?
初盆に全員が集まれなくても、その後のお彼岸やご命日に改めて集まる機会を設けることもできます。家族の事情に合わせて、無理のない形で行うことが大切です。
Q. 初盆の白提灯は必ず必要ですか?
松阪では絵柄入りの盆提灯でお迎えするご家庭が多いため、白提灯にこだわる必要はありません。ただし、宗派・地域・ご家庭の慣習によっては白提灯を用意することもありますので、菩提寺のご住職にご相談ください。
Q. 棚経・施餓鬼法要のお布施はいくらくらい?
地域・寺院・故人とのご縁により幅がありますが、初盆の棚経や施餓鬼法要は通常の月命日のお勤めよりも丁寧にいただくため、菩提寺へ事前にお尋ねいただくのが確実です。お渡しは表書き「御布施」で、法要当日に手渡しが一般的です。
Q. 菩提寺がない・付き合いがない場合は?
近年は、菩提寺をお持ちでないご家庭も増えております。ご親族のお寺や、ご自宅近くの同じ宗派のお寺にご相談される方が多くあります。宗派がわからない・どこに相談すればよいか迷われた場合は、ぶつえいどうにもお声がけください。地域の寺院事情に詳しい当店から、ご相談の入口をご案内いたします。
Q. ご親族への引き出物・お返しはどうすれば?
初盆では、ご親族や弔問の方々からお供え・お菓子・現金(御仏前)をいただくことが多くあります。頂戴したお供えのお返しとして、お菓子・タオル・お茶などの引き出物をご用意するご家庭が多くあります。金額の目安や品の選び方は地域・ご家庭によって異なりますので、お悩みの際はぶつえいどうへお気軽にご相談ください。
Q. 何を準備すればよいか、一人では不安です
ぶつえいどうでは、初盆にまつわるご相談をお受けしております。お電話や来店、LINE公式アカウントから、お気軽にお声がけください。
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まとめ
松阪の初盆は、全国一般の慣習とは異なる点がいくつかあります。
- 8月7日に菩提寺のご住職を自宅へお迎えして棚経を執り行うご家庭が多い
- 8月13日〜15日のいずれかに、精霊棚を菩提寺へお運びして「初盆送り」のお勤めをお受けする
- 8月23日前後に菩提寺で初盆施餓鬼(せがき)法要が執り行われる
- 絵柄入りの盆提灯でお迎えするご家庭が多い(白提灯必須ではない)
- 迎え火・送り火は焚かず、提灯の灯りでお迎えする
- 行灯(あんどん)は祭壇のそばに灯す
- ピラミッド型のお盆団子をお供えする
- 精霊馬(きゅうり・なす)の習慣はあまり一般的でない
これらは「正解」というより、松阪の地域に根付いた静かな慣習です。ご家庭の事情・宗派・菩提寺のご住職のご指導も大切にしながら、無理のない範囲でお迎えいただければと思います。
ぶつえいどうは、創業明治39年(1906年)から松阪の地で、はじめての初盆を迎えるご家庭のお手伝いをしてまいりました。盆提灯のお選び・お供えのご相談・お仏壇まわりの整え方など、お気軽にご相談ください。