花立や香炉、火立などの仏具セットをきれいにしたいときは、まず材質と表面の仕上げを確かめることから始めましょう。同じ金色の仏具でも、お磨きできるものと、研磨剤を使えないものがあります。
見た目だけでは判断しにくい場合は、説明書や購入時の商品情報を確認します。分からないまま磨いたり洗ったりせず、購入店へ確かめると、お使いの仏具に合う方法を選べます。
仏具セットは、一つずつ材質と仕上げを確認する
「真鍮製」は本体の材質を示す言葉です。表面に金メッキ、着色、透明なコーティングなどがあるかどうかは、別に確認する必要があります。真鍮製と書かれているだけでは、金属磨きを使えるとは限りません。
また、セットに付属する台や敷物まで同じ方法で扱えるとは限りません。花立・香炉・火立、取り外せる内側の容器など、それぞれの取扱い表示を確認します。
| 確認できた材質・仕上げ | お手入れの考え方 | 先に確認したいこと |
|---|---|---|
| 磨き仕上げの真鍮 | お磨き可能と確認できた部分に、適合する金属磨きを使う | メッキ・着色・コーティングがないか。仏具と用品の両方の取扱い表示 |
| 金メッキなどのメッキ仕上げ | 研磨剤で磨かず、指定された方法で扱う | 金属磨きが使用対象外になっていないか |
| 金箔・金粉の装飾 | 装飾部分をこすらず、気になる汚れは購入店へ相談する | 装飾の有無。表面の色の変化が汚れなのか、傷みなのか |
| 着色・塗装・コーティングされた金属 | 色や被膜を磨き落とさないよう、製品ごとの説明に従う | 乾拭き・水拭きなど、許可された方法 |
| 陶器・ガラス | 水洗いできる表示があるものだけ、その方法に従って洗う | 金彩・絵付け・接着部分などの扱い。食洗機の使用可否 |
| 木製・塗りの部分、材質が不明なもの | 水洗いや研磨を始める前に、購入店へ確認する | 本体と装飾それぞれの材質・仕上げ |
磨き用品には、真鍮製品向けでもメッキや金箔には使えないものがあります。一方、金属製品の取扱い案内で金属磨き自体を使わないよう指定される製品もあります。用途名だけで選ばず、手元の仏具への適合を確認することが大切です。(磨き用品の使用対象と除外条件、金属製品の取扱い案内)
お手入れを進める順番
1. 火を消し、置いてある状態を写真に残す
線香やろうそくの火を消し、香炉や火立が冷めてから作業を始めます。仏具を戻すときに迷わないよう、取り外す前の配置を写真に残しておくと便利です。
作業台には柔らかい布などを敷き、仏具を一つずつ置きます。外し方の分からない部品は、無理に分解せず、そのまま確認します。
2. 表示に合う道具だけを用意する
乾拭きの指定がある部分には、汚れや研磨剤の付いていない柔らかい布を用意します。金属磨き用の布を、金箔やメッキ部分にも続けて使うことは避けましょう。
金箔・金粉の装飾は、一般の金属面と分けて扱います。装飾に付いた汚れを落とそうとこすらず、気になる部分があれば写真を撮って購入店へ相談する方法があります。
3. 磨ける真鍮だけを、用品の説明に従ってお磨きする
金属磨きを使える仏具だと確認できた場合は、用品に記載された量と使い方に従います。磨いた後の拭き取りも、その用品の説明に合わせます。
金色に見えるからという理由で磨き始めたり、落ちない部分だけ力を強めたりはせず、色や表面の変化が気になるときは作業を止めて状態を確かめます。
4. 水洗いできるものは、乾いてから元へ戻す
水洗いの指定がある器は、洗い方・洗剤の可否を説明書で確かめます。外せる容器がある場合も、その容器と外側の仏具をまとめて洗えるとは限りません。
水分を拭き取り、十分に乾いたことを確かめてから元の位置へ戻します。香炉の灰の交換などは、容器のお手入れと分けて、使用している仏具の案内に従います。
黒ずみや剥がれが残るときは
色の変化だけでは、汚れ・着色仕上げ・表面の傷みを決められません。 磨くと色が変わる、表面が剥がれている、指定の方法で取れない汚れがある場合は、続けて落とそうとせず、状態を確認するところから相談できます。
問い合わせる際は、仏具全体と気になる部分の写真に、分かる範囲の商品名・購入時期・材質表示、すでに使った洗剤や道具を添えると、状況を伝えやすくなります。
ぶつえいどうでは、真鍮製仏具の磨き直しや再塗装などのご相談を承っています。修理できるか、どの方法が合うかは、お品物の状態を確認してご案内します。詳しくは仏具修理のご案内をご覧ください。
よくあるご質問
仏具セットをまとめて水洗いしてもよいですか?
一式を同じ方法で洗う前に、器・装飾・台などの取扱いをそれぞれ確認します。水洗いできるものだけを分け、表示が分からないものは購入店へ確かめましょう。
重曹や歯磨き粉で磨けますか?
仏具全般に使える方法としてはご案内できません。材質だけでなく表面の仕上げによって扱いが異なります。家庭にあるものを代用する前に、その仏具の取扱い説明で使用できることを確認します。
位牌も同じように手入れしてよいですか?
位牌は材質や、文字・装飾の仕上げによって扱いが異なるため、仏具用の金属磨きをそのまま使う対象にしません。位牌のお手入れ方法を確認し、仕上げが分からない部分は購入店へご相談ください。
お使いの仏具に合う用品を選ぶ
手入れの方法が確認できたら、公式ショップのお手入れ用品で道具を探せます。各用品の使用できる材質と、使えない仕上げの両方を確かめて選ぶと、必要なものを絞り込めます。
一度にすべてを磨き上げようとせず、お使いの仏具に合う手入れを続けることが、日々手を合わせる場所を整えることにつながります。